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江田島市立大古小学校様 活用事例 島から世界へ羽ばたく力を|Monoxer活用で変わる学び方

 🏫 お客様情報
『ふるさとを愛し、未来を創る児童の育成〜自分をつくるのは自分〜』を教育目標に掲げる広島県、広島湾・東能美島の小学校。令和5年度より文部科学省の『リーディングDXスクール事業』の指定校として学校DX化を推進。全校児童数159名(令和6年5月1日現在)

▼Monoxer活用シーン/科目
学年: 小学1 - 6年生
科目: 国語・算数・理科・社会
シーン: 朝学習・授業中・家庭学習・夏休み課題
使用コンテンツ: オリジナルBook、モノグサマーケットコンテンツ
Monoxer導入年度:2024年

📈 活用サマリ

導入目的:
・「島を出ても世界で通用する人材」として成長するため、主体的な学習を促進
・紙ドリルによる学習の非効率性を改善し、児童が自ら学ぶ姿勢を引き出すためにMonoxerを導入

目的の実現における課題:
・教員の丸付け業務が多く、児童一人一人への適切なサポートが十分できないことがあった
紙ベースの学習では児童の自主的な取り組みが進まず、学習意欲が低下する傾向があった

取り組み:
・授業や日常のスキマ時間にMonoxerを活用し、児童に自主的に学習する習慣を根付かせた
・ICT推進リーダーが全学年分の問題作成を担当し、学年ごとのオリジナル問題を提供。児童が楽しみながら学習できる環境を整備
・夏休みの課題をMonoxer一本に統一し、学期中の復習をタスクとして設定

効果:
・理科や社会といった従来ドリル学習をしていなかった教科で成績が大きく向上
・教員の丸付け業務が削減され、学校全体の業務負担が軽減された
・児童が自主的に学習に取り組むようになり、保護者からも学習の見える化に対する好評を得ている 

▼今回お話を伺った方

畠藤 邦子校長

令和4年度赴任。教諭時代は算数化の研究を進め、子どもをもっと伸ばす方法はないかと模索されていました。現在は校長として職員の主体的な「やりたいこと」の実現を後押ししています。

小宇根 将浩先生

ICT推進リーダー 教務主任 理科専科
令和4年度赴任。令和5年度からICT推進リーダーとして先進的な取り組みを進め、令和6年度から教務主任、理科専科として子どもの学力向上に取り組まれています。

目次[非表示]

  1. 【導入目的】「島を出ても世界で通用する人材」を育てるために、Monoxerで主体的な学習を促進
  2. 【効果実感】これまでドリル学習をしていなかった理科・社会で成績向上|教員の業務効率化にも寄与
  3. 【活用方針】日常のスキマ時間を有効活用|夏休みまで一貫したMonoxerの活用
  4. 【活用のポイント①】理科ではテストに特化した復習問題を無期限のタスクで配信
  5. 【活用のポイント②】夏休みはMonoxerのみ|一学期の全タスク100%を課題に
  6. 【活用のポイント③】ICT推進リーダーを中心に一年で一気に土台づくり
  7. 【今後の展望】算数などの他教科においても活用を拡げていきたい

【導入目的】「島を出ても世界で通用する人材」を育てるために、Monoxerで主体的な学習を促進

−まず、御校の教育の特徴と、Monoxer導入までの経緯についてお聞かせください。

−畠藤校長
江田島市は広島県の島しょ部、人口2万人弱の小さな市です。海をはじめとした自然環境に恵まれていることから、「里海学習」を市内全域で行っています。ですが、都会部の子ども達と同様にゲームやデジタル機器も身の周りにありますので、本校児童は「島の子」らしい素直さを持ちながらも、現代っ子の面も持ち合わせています。

本校ではそんな彼らに「島を出ても世界で通用する人材」になってほしいと考え、「ふるさとを愛し、未来を創る児童の育成」を目標に掲げた教育活動を進めてきました。

その中で近年力を入れているのが教育のデジタル化です。島の普段の生活では世の中で何が起きているかなかなか知り得ませんが、タブレットなどのICT機器があれば、子ども達は島外の広い世界の物事や考え方に触れることができます。本校は令和5年度から文科省の『リーディングDXスクール事業』の指定を受け、インドネシアの日本人学校とのオンライン交流といった独自の取り組みも行ってきました

Monoxerとの出会いは上記事業の一環で、先進的な教育推進で知られるさとえ学園小学校の山中昭岳先生をお招きした時でした。「さとえ学園小学校ではタブレット学習教材をMonoxerにした。全ての教科で使え、児童が非常に意欲的になっている」というお話を聞き、興味を持ったのです。

本校ではこれまで子どもたちの学力向上のため、紙の計算ドリルで課題を出して、教員が丸付け・補充の支援を行ってきました。しかし、そうした学習に児童自ら取り組ませるのは至難の業ですし、教員側の丸付け業務にも時間もとられます。結果、児童の学習理解を進めきれないでいました。

校長として「丸付けをサポートしたいけれども、教員を増やすこともできない」ともどかしさを感じて現状を見ていた私の目には、丸付けが不要で即座に子ども達へのレスポンスがあるというMonoxerが非常に魅力的に映りました。

そこで、子ども達に試しに使ってみてもらったところ、驚いたことに口々に「すごく楽しい!」と話し、自ら主体的に学習に取り組みはじめたんです。その姿に、「これはこれまでの紙の学習教材とは違うな」という手応えを感じ、今年度4月に本導入するに至りました。

【効果実感】これまでドリル学習をしていなかった理科・社会で成績向上|教員の業務効率化にも寄与

-Monoxer本導入にあたっての期待と、半年の活用での効果を教えていただけますか?

−畠藤校長
導入当初期待したのは、従来紙のドリルで行ってきた算数の計算力や国語の語彙力などの力の伸びでした。しかし、実際の成果がすぐ現れたのは想定していなかった部分でした。理科や社会など「これまでドリル学習をしていなかった教科」の成績が抜群に伸び、特にICT推進リーダーが担当する理科は全体の知識定着率がびっくりするぐらい高くなったのです。

漢字の筆順への意識が大きく向上したのも嬉しい誤算でした。従来新出漢字の筆順は確認していましたが、日々の書き順指導までは手が回らないのが現状でした。しかし、Monoxerは漢字の筆順を強く意識させる設計のため「正しい書き順で綺麗な字が書けるね」という声かけだけでも書き順が身についてきています。

教員の業務負担軽減にも効果は出始めています。本校ではICT推進リーダーが中心になり全学年のMonoxerの問題を作成しているため、各学年の担任などは導入負荷が低く、丸付け業務も減少したため学校全体の時間外勤務もやや減少しました。

ただ、校務へのデジタル機器導入は慣れるまで多少なりとも負荷がかかりますから、教員の負担が「激減した」という所までは至っていません。こうした負荷軽減のため、キーパーソンであるICT推進リーダーが要として頑張ってくれています。今年度、彼を中心にした問題作成と実践が一巡すれば、来年度はこの面でも大きな成果が現れるのではないかと考えています。

子ども達はMonoxerをすごく気に入っているようで、6年生の間では「モノグー」という愛称で呼ばれるまでになっています。子ども達が自ら進んで課題に取り組むようになったことはやはり嬉しいですね。

学習の見える化も進み、特に夏休みの課題については保護者の方々にもMonoxerの取り組み状況を見ていただくようにお願いしたこともあり、「課題をやる」だけでなく「力をつける」ことにつながる取り組みができるようになってきています。今後継続した利用で、国語や算数も含め、子ども達の一層の学力向上に繋がっていくことを期待しています。

【活用方針】日常のスキマ時間を有効活用|夏休みまで一貫したMonoxerの活用

−御校のアクティブ率は非常に高く、通常落ち込みがちな夏休み期間もその値が落ちませんでした。学校全体としてどのような活用をされているのでしょうか?

−畠藤校長
算数の計算ドリルや夏休みのワークなどの教材を削減したとはいえ、各家庭への月額負担は大きいです。保護者の方に「子ども達に学力が付いて良かった」と感じてもらえるよう、「スキマ時間を活用して、とにかくMonoxerを有効活用する」というのがまず全体の指針としてありました。

主な活用機会は、朝5分程度のドリルタイム、各授業中の課題が早く終わった時。それから給食準備中、昼休みや帰りの会終了後の帰宅前など任意の時間です。実際の活用状況を見ても、朝や11時〜12時頃の時間がやはり多く、給食準備中の10〜15分程度の時間に別室でタブレット学習に励む姿もよく見かけます。

内容は現場の先生方にお任せしていますが、主に各教科単元毎の復習用オリジナル問題を課しているようです。子ども達の実態は学校毎に異なりますから、やはり教員心情としては自校の児童に合った問題を用意したいもの。そのため、ICT推進リーダーの小宇根先生が問題作成を担い、各先生方のリクエストを反映した復習問題を用意しています。

算数の「割合」なら、「割合」の問題を教科書を見返しつつ繰り返し問題に取り組むことで理解を深めたり、4年生のわり算に入る前に「3年生のわり算」を宿題にして「すいすいできて楽しい!」と新単元への土台づくりを楽しくできるようにしているようです。

夏休みのアクティブ率が高いのは、夏休みの課題をMonoxerに統一し、なおかつ一学期間の単元の復習Book自体を課題にしたからだと思います。もともと夏のワーク類は子ども達も教員も「やる」ということが主眼になり、「子ども達の力がついたのか」には意識が向かないものでした。ですが、この方法なら知識が定着しているかを測れますし、学習状況も確認できます。

このように全体として紙媒体からMonoxerへの移行を進めていますが「タブレットより紙がいい」という児童も少ないですが一定数います。もちろん一人ひとりが学習しやすい方が良いですから、紙のプリント問題も用意しています。高学年の場合は選択式で、自分がやりやすい学習方法を選んでもらっているようですよ。そうした点も一定の活用率の高さの所以なのかもしれません。

💡 活用ポイントのまとめ
給食準備の時間など、わずかなスキマ時間にMonoxerを活用する習慣をつける
✓各学年の教科・単元別復習問題を、ICT推進リーダーが一括して作成する
✓夏休みの課題をMonoxerに統一し、一学期の単元復習に限定
✓紙の方がやりやすい子のためにプリントの選択肢も用意

【活用のポイント①】理科ではテストに特化した復習問題を無期限のタスクで配信

−小宇根先生はICT推進リーダーとして全学年のMonoxerの問題作成を担い、担当されている理科でも大きな成果を出されていると伺っています。どのような点を工夫して問題を作成・配信しているのでしょうか。

−小宇根先生
校長からもお話があったかと思いますが、作成しているのは復習のための問題です。例えば理科では授業中に観察や実験といった体験活動を行いますが、体験するだけでは扱った知識は憶えきれず、ポイントも絞りきれません。なので、単元の体験が終わった後、予め作ってあった単元内のポイントをまとめた問題をMonoxerで配信しています。

この復習問題は学習計画などは割り当てず、記憶度100%到達を目指す「タスク」として児童には渡しています。ここで重きを置いているのは「学期中に期限を設けず、何度も取り組ませる」ということです。子ども達にとって辛いのは「何回も書き直しをさせられるが、結局正解に辿り着けないこと」です。Monoxerは答え合わせが一瞬で行われるので、何回間違えてもすぐに繰り返せて、いずれ正解まで辿りつきます。この状態で何度も繰り返しトライできるのは子ども達にとっては嬉しく、意欲的に取り組めるようです。

また、Bookの内容としてはテストに特化した10〜20問程度の問題で構成しています。この問題をやっておけば「ここがポイントなんだな」と分かりますし、単元末のテストでは点が伸びます。それが嬉しいから「Monoxerやっていいですか!」という声が自然とあがるのかなと思います。

3年生以上の学年の理科は全て私が担当していますが、全学年の単元末テストほぼ全てで前年比10点以上得点が伸びています。もともと100点をとる子はあまりいなかったようですが、中間層からやや学力低めの層を中心に底上げが進み、特に5年生は20点以上得点が上がった単元もありました。6年生は実験器具の使い方など手順が複雑でテストの点数も下がりがちなのですが、Monoxerで何度も復習したため他学年同様に高い点数を記録していました。

問題作成においては図や写真入りの問題が作りづらく、文章のみの問題になってしまっているところが課題です。文字だけでは内容を想像しづらい子もいるので、教科書や市採用のタブレットドリルなどを活用して補っています。

💡 活用ポイントのまとめ
✓単元毎の10〜20問程度のオリジナル復習問題を、学期中の期限を作らず配信。
✓単元末テストでの結果に直結する問題構成で、児童に成果の実感をしやすくする
✓Monoxerでは取り組みづらい問題は別の方法で補う。

【活用のポイント②】夏休みはMonoxerのみ|一学期の全タスク100%を課題に

−夏休みを含めた御校のアクティブ率の高さの秘訣が気になっています。Monoxerでの学習のモチベーションアップのため工夫されていることがあるのでしょうか。

−小宇根先生
以前はタブレット自体をあまり使っておらず、児童は「タブレットで学習できること」にまず意欲が高く、自分達でやりたがりますね。

工夫と言っていいのか分かりませんが、私は1時間丸々とってMonoxerに一斉に取り組ませる時間を取ったりしています。Monoxerの良いところとして「別の教科も含めて問題を自分で選べること」がありますよね。理科のタスクが全て100%になっている児童は算数や国語の漢字など、自分にとって足りてない教科の問題を選べる。そこもやる気につながるのかもしれません。

夏休みの活用に関しては、やはりワークを使わずにMonoxer一本に絞ったことが大きかったのかなと思います。あれこれ目移りせずに「これだけやればいいんだな」と集中できますからね。内容もわかりやすく、「夏休み中に一学期中に配信した全てのタスクの記憶度を100%にしなさい」という課題にしました。

理科の場合は活用率が高く、夏休み開始時点で大半の子が「先生、理科の宿題もう終わっとるわ(笑)」と言っていましたが「夏休み中もヒマな人はやってもいいよ」と声をかけたところ、自主的に復習に取り組んでくれた児童が何人もいたのは嬉しかったですね。

💡 活用ポイントのまとめ

✓夏休みの課題をMonoxer一本化。一学期の全タスク記憶度100%というシンプルなものに
✓学期中、教科に限らずMonoxerのタスクを自由に進められる時間を取る
✓記憶定着済みなら夏休みの課題が減る分、自主性に委ねる声がけをする

【活用のポイント③】ICT推進リーダーを中心に一年で一気に土台づくり

−学校全体での先生方へのMonoxer普及の取り組みについて教えてください。

−小宇根先生
今年一年間を通じて全学年の問題を作り終わるように先生方の意見を伺いながら、今一生懸命問題を作成しています。一旦問題を作っておけば、来年以降手直しする必要が出ても、一から作るほどの手間はかからないので、全体の業務負荷は下げられるはずです。

ただでさえ担任の先生方は業務が多いですから、Monoxer導入によって発生する業務(問題作成・タスク配信・小テストの作成-配信)を推進リーダーに依頼することで軽減し、これまでドリルの丸付けやプリントの準備などにかかっていた時間が軽減できればいいなと思っています。

実際のところ、ICT推進リーダーとして組織浸透に向けて声がけしているかと問われると、全くそんなことはないんです。若い担任の先生がすごく多い学校なので「Monoxerでこんなことしたいです」「こんな風に使ったらどうでしょう」とすごく熱心で、Bookのタイトル付けなども含めて意見をかなり採用させてもらっています。活用中のトラブルなどの窓口にもなっていますが、正直若い人達の方に置いていかれている気もしています(笑)

職員室では趣味の話でもするように「見てください、こんなの作ってみました〜」というMonoxerトークが始まることも多く、それが職員室全体にすぐ波及します。このあたりは教員数が20名弱の小さな学校の職員室だからという面もあるのかもしれません。

💡 活用ポイントのまとめ

✓専科のICT推進リーダーが一年かけて全学年の問題作成を行い、活用推進する
✓若い担任の業務負荷を減らし、出てきた意欲的な意見を推進リーダーが取り入れる
✓活用方法の話題が自然に全体に波及するのは小規模校ならでは

【今後の展望】算数などの他教科においても活用を拡げていきたい

−最後になりますが、今後の展望についてお話ください。

−小宇根先生
従来の紙のプリント学習ではスキマ時間に学習を進めさせようにも、プリント準備・配布・回収にそもそも時間がかかってしまって、5分では満足に進められませんでした。ですが、Monoxerになってから3分でも時間があれば進めることができるようになりました。しかも、児童がやりたい教科や単元を選んで勉強することもできます。

これにより子ども達は着実に力をつけ、テストの点につながることで学習意欲も上がってきています。これを理科などMonoxerで問題を解きやすい教科だけでなく、計算が必要な算数などにもつなげ、継続的にMonoxerの活用率を上げていきたいと思っています。そのためにも、まずはICT推進リーダーとして問題作成を今年一年頑張りたいですね。



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