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専修大学北上高等学校様 活用事例 系列大学進学でも必須な”学びに向かう姿勢”。部活で多忙な私立校の「ギリギリを攻める10分間の朝学習」

導入組織について

普通科、グローカルビジネス科、メカニックエンジニア科の3学科を擁する岩手県内有数の私立総合高校。専修大学を含むSENSHUグループの一翼を担い、社会で活躍のできる人材を輩出してきた。卒業生は岩手県のみならず、関東など県外でも活躍。

活用サマリー

Monoxer活用シーン/科目

・学年: 1年生〜3年生
・科目: 国語・数学・英語
・活用シーン: 朝学習・授業内
・使用コンテンツ:
 - 国語力向上 一問一答トレーニング<上級><中級>
 - 解法ポイントくりかえしドリル_中学生_数学_教科書水準_中学1~3年生
 - オリジナルコンテンツ(英語)
・Monoxer導入年度:23年度

導入目的

・多様な進路に共通して必要な学びに向かう姿勢を養う
・中学校の学び直しを主とする基礎学力向上

課題

・毎日10分の朝学習を紙のプリントで行うが、担任の業務負担が膨大
・学習習慣のついていない生徒がプリント学習に取り組まない
・生徒の実態に合った毎日学習が続けられるツールが必要

取り組み

・朝学習の内容をMonoxerに一新。語彙力など基礎の学び直しの反復学習を実施
・多忙な各教員が継続できる最低限の管理画面活用方法を共有、運用をはかる

効果

・朝学習の業務ボリュームが大きく減少
・2年間朝学習が継続し、生徒にも教員にもMonoxerが定着
・生徒が学び直しと高校の授業内容の結びつきに気づき、学びの実感が生まれた。

今回お話を伺った方

佐々木 文弥先生/数学科 DX推進担当

・現在担当されているお仕事:3学年担任、DX推進部副主任、総合探究部(eラボ&eスポーツ)顧問
・領域について:数学科
・お仕事で大切にされていること:できる限り生徒一人ひとりと向き合うこと
趣味・マイブーム等:ゲームが趣味です。最近は、任天堂switch2が欲しくて欲しくてたまりません。抽選はすでに7連続落選中。switch3が登場する頃には手に入るのかな…と思っております(笑)
・ご家族構成、ご趣味、休日の過ごし方 :妻、猫2匹。白茶が「きなこ」君、黒猫が「くるみ」ちゃんです。1歳の兄弟猫です。

白茶が「きなこ」君、黒猫が「くるみ」ちゃん

【導入目的】就職、系列校進学、国公立受験。幅広い進路実現に向け、学力不振の生徒でも取り組める「基礎反復学習ツール」を求める

−まず、御校の特色について教えてください。

ー佐々木先生
本校は普通科のみならずグローカルビジネス科とメカニックエンジニア科を擁する総合高校です。部活動にも力を入れており、野球部やサッカー部などスポーツに打ち込みたいと入学した生徒も多数在籍しています。

生徒達は本校で「自分らしい学び」により個性を伸ばし、就職や専門学校や私立・国公立大学への進学など自分自身に合った進路を選ぶことで「自分らしい未来」の実現を目指しています。

また、本校の大きな特色として、いわゆる「日東駒専」の一角である専修大学の付属高校であることが挙げられます。関東圏の大手企業への就職にも実績がある系列大学への進学の道があることは、保護者の方にも安心してお選びいただける要因となっています。

ー在学生の特徴と、抱えている課題について教えてください。

ー佐々木先生
多様な生徒たちの中には、中学校までの学習段階でつまずいている生徒も少なくなく、中には算数の段階で立ち止まっている生徒もいます。そのような場合、学習習慣・学びに向かう姿勢も身についていない場合が多くあります。

保護者の方々としては「系列の専修大学への進学の道があるのだから」という期待があり、大学側も本校からの進学を歓迎しています。しかし、残念ながら学習習慣のついていない生徒が大学進学後に単位を落とし、留年してしまうというケースも散見されていました。

本校としては将来のために高校で基礎学力と学習習慣を定着させた上で進学してもらいたいと考えております。そのため、推薦資格をベネッセの基礎学力診断テストでCゾーン以上の生徒に限るなど、学力向上に向けた改革を続けてきました。

ーなぜMonoxerを導入したのでしょうか。

ー佐々木先生
本校ではこれまで学び直しと学習習慣定着のため、「全校で10分間の朝学習に取り組む」という方針を打ち出して推進してきました。

当初は国数英のドリル形式のプリント学習を行っていたのですが、「担任の業務負担が非常に大きい」「生徒が取り組めず、何もしないで10分が過ぎてしまう」といった問題が発生し、うまく行っていませんでした。そこで、この課題を解決できる朝学習のツールを探しはじめたところ、Monoxerと出会ったのです。

ツールの検討にあたり、重視したポイントは「全校の朝学習で導入できること」、そして「本校の生徒達に合ったツールであること」の2つです。

実は本校では、コロナ禍に動画学習ツールを導入したものの、生徒達にフィットしなかったという苦い経験があります。解説動画視聴後に問題を解くという流れで学習が進むものだったのですが、できる生徒は解説を見ず、学習が苦手な生徒は動画を見ても理解できず。結果的にきちんと取り組めない生徒が続出してしまったのです。

しかし、Monoxerは単語帳のような反復学習で、なおかつ習熟度に合わせたレベル分けもできるので朝学習に自分のペースで進めやすいように感じました。一人で取り組めない生徒がいても、サポート役の教員が「次の問題もやってみよう」と促せば進めていけそうだと考え、導入を決断しました。

【効果実感】10分間の継続で学びに向かう姿勢が徐々に整う。「先生、これやりましたよね!」の声も

-導入から2年が経ちますが、成果は感じられていますか?

ー佐々木先生
正直なところ、これまで朝学習の内容に直接テストを課してきていないので、「テストの点数が伸びた」といったようなわかりやすい成果はありません。

しかし、私達がMonoxerを導入した大きな目的の一つは学習習慣の定着・学びに向かう姿勢の育成です。朝の10分間、「この時間は学習に取り組む時間だ」と、投げ出さずに学習に向かう姿勢を定着させる。それが、一番の狙いでした。

その意味ではこの2年で大きな進歩を感じています。Monoxerでの学習率は向上し、朝学習も生徒に定着してきています。最近の数学の授業では「先生、これこの間Monoxerでやりましたよね」という声も聞こえていて、「これは学んだ内容だ」という感覚を生徒が持てている実感があります。

ー導入当初、生徒たちはMonoxerにすぐ馴染むことができていたのでしょうか。

ー佐々木先生
いえ、最初は苦戦していました。というのも、生徒がMonoxerに取り組まない場合の対処法まで詰めて検討せずにスタートしてしまったからです。本校には学習への苦手意識が強い生徒もいますから、はじめは端末で学習しているようにしているフリをしながら別のアプリを立ち上げている子も出てしまっていました。

しかし、教員全体に生徒の学習進捗を一覧で確認できる画面の見方など、最低限の使い方とポイントを伝えて声がけしてもらうことで、徐々に状況は改善していきました。

ー紙媒体のドリルとMonoxerを比較して、特に良いと感じたのはどのような点ですか?

ー佐々木先生
朝学習にかかる教師の業務量が大きく減ったという点です。紙の場合は添削までしなかったとしても、提出したものを受け取って、ハンコかスタンプを押して返却するという動作が必要になります。Monoxerなら自動で記録されますし、管理画面からオンタイムで全員の取り組み状況も即座に確認できて、その場でスタンプも送れます。Monoxerのおかげで負担感はかなり減少しました。

【活用方針】朝学習での学習習慣定着を徹底。漢字や語彙力など、総合型入試を視野に入れる生徒にも役立つ基礎力獲得を目指す

−改めて、御校の朝学習でMonoxerをどのように活用しているか教えてください。

ー佐々木先生
朝学習は、朝8時45分から55分までの10分間に行っています。あくまで本校の朝学習の目的は、学習習慣の定着と基礎の徹底した学び直しですから、国数英全ての科目で中学校までの内容に絞ったタスクを配信しています。

習熟度に合わせた学習が重要ですので、英語と数学に関しては4月に基礎力のレベルチェックテストを実施して三段階に振り分けています。

国語については習熟度ではなく学年で学習内容を分け、1年生で『国語力向上1問1答トレーニング』の中級、2年生で上級、3年生で『15歳までに知っておきたい語彙1800』とステップアップできるように設計しています。

本校の場合、一般受験で大学入試を受ける生徒は1割未満と少ないのですが、小論文や志望理由書、面接を必要とする生徒は非常に多いです。語彙力や漢字力は全員に必要な力であり、本番の結果を左右する要因でもありますから、日々の学習で積み上げてほしいと考えています。

ー朝学習のほか、授業でもMonoxerの活用は行っているのでしょうか。

ー佐々木先生
基本的には朝学習での活用がほとんどですが、英語科のみ『Vision Quest』という教材に合わせた単語テストをタスク配信して小テストも実施し、平常点に組み込んでいます。

活用ポイントまとめ

朝学習の10分間、中学までの学び直しの内容に集中して活用

英数は習熟度別、国語は学年でレベルを分けて問題を配信

英語科のみ平常点に関わる小テストのタスク配信を行っている

【活用のポイント①】タスクの量はギリギリを攻める。高校単元につながる学び直しで生まれる「学びの実感」

−Monoxerでの朝学習を定着させていくために最も大事にしたことを教えてください。

ー佐々木先生
生徒が投げ出さず、きちんと終えることのできるギリギリのタスク量を追求することです。毎日10分、合計30分一生懸命取り組めば、きちっとやり切って終えることができる、多すぎないボリュームを目指しました。

具体的には、国語と英語は通常1Book20エントリーのところ2つのBookを統合。3日間で40問を目安に配信することにしています。数学だけは時間がかかるため問題数を絞り込み、3日間で10問から15問になるようにしています。

どの生徒も80%ぐらいまではグングン記憶度が伸びていきますし、今のところ「量が多すぎる」といった不満の声は挙がっていません。

ー学び直しは範囲が広いですが、タスク選定はどのような基準で選んでいるのでしょうか。

ー佐々木先生
数学に関しては、高校1年生の数学につながる内容を優先的に出題しています。タイミングも重要で、授業の単元の1〜2週間前ぐらいまでに朝学習で触れていると「最近これMonoxerでやったじゃん」と気づいてくれる生徒も多く、中学までの学び直しが高校の学習に確かにつながっているという実感を持ってもらいやすくなることがわかってきました。毎回となると難しいのですが、このあたりも意識するよう心がけています。

活用ポイントまとめ

毎日10分、生徒達が一生懸命取り組んでやり切れる量を見極めて配信。

数学では高校の単元につながる内容を優先的に選ぶ。

授業に直結する学び直しを直近で行っていると、生徒がつながりを実感できる。

【活用のポイント②】生徒へのコミュニケーション・モチベート:手を動かす締め切り設定と「先生は見ている」と意識づけるスタンプ活用

−生徒の朝学習へのモチベーションを高めるために行っている工夫はありますか?

ー佐々木先生
私のクラスでは、タスク配信から2週間後に締め切りを設定しています。もし期間内に学習が完了していなければ、月曜の放課後には居残りで終えてもらうようにしています。少し古くさいやり方かもしれませんが、「○○が締め切りだよ」と言われていないと仕事が進まないということは、大人でも覚えがありますよね。毎週タスクは配信していますから、毎週締め切りがあるという緊張感がある状態になるようにしています。

ペナルティだけでなく、「先生が見ている」という意識を与えることも重要ですので、私は土日の午後や夜、タスクの進捗を可能な限りチェックしてスタンプを送るようにしています。スタンプを送ると生徒の端末に通知があるので、生徒自身「先生がちゃんと見ている」と実感してもらいやすいです。「先生、Monoxer見てますね……!」と声をかけてくる生徒もいて、こちらのリアクションを嬉しく思ってくれている様子も伝わってきています。

活用ポイントまとめ

配信から2週間後に学習が完了していなければ、放課後居残りで強制的に学習。

「先生が見ている」という意識付けのため、週末タスク進捗を確認してスタンプを送信。

【活用のポイント③】教師も生徒と同じ。最低限の周知徹底と、個に応じた「到達度別課題」

−居残りやスタンプ送信は、教員全体で統一して行っているのでしょうか。

ー佐々木先生
いいえ。もともと本校は部活動に力を入れていますので、放課後になるとすぐに部活に向かわなければならない先生が多くいらっしゃいますので、それぞれの先生のペースにお任せしています。私のようにスタンプ活用や居残りをさせている教員は全体の20%程度です。

組織浸透において大切なことは「多くを望まないこと」です。少し見ただけでMonoxerの使い方をすぐ理解する方もいれば、苦手だという方もいます。これは生徒の学習と変わりありません。全体への周知徹底は最低限度にして「ここを見るだけでいいですよ」と言ってあげるのが一番良いと思っています。

ー最低限度とは、実際のところどのような内容なのでしょう。

ー佐々木先生
本校では2ヶ月に1度、Monoxerの各科目タスクの配信カレンダーを教師・生徒共に全校配信をしていますから、先生方には「今週は国語④です。タブ3つ目の学習計画の進捗を見れば、生徒が取り組んでいるかどうか分かります」という話だけを伝えて、取り組んでいるかどうかだけ確認してもらっています。それ以上の対応は、先生によりけりです。

ー推進担当としてどのようにサポートをされているのでしょうか。

ー佐々木先生
先生方のMonoxerの習熟度は、大きくは三段階に分かれるので、松竹梅に分けてサポートするイメージを持っています。「朝学習は朝学習で完結で良い」という先生はログイン画面から進捗確認の画面への行き方だけ伝えれば良いですし、「朝学習に熱心な生徒に加点したい」という先生には、CSVファイルの出力の仕方などをお伝えします。さらに「自分でMonoxerの問題を作って配信したい」という先生がいれば、マニュアルを見ながら一緒に試行錯誤しています。

活用ポイントまとめ

全ての教員に多くを望まない。全体には最低限度の見るべきポイントのみ周知徹底。

教員もMonoxerの活用を習熟度別に分け、推進担当もサポート方法を変える

【今後の展望】目指すは生徒自身の学習効果実感。「本校の生徒に合った朝学習とは」を追求し続ける。

−本日は誠にありがとうございました。最後に、Monoxer活用の今後の展望についてお話ください。

-佐々木先生
Monoxerを活用した朝学習は、この2年の継続で生徒・教員どちらにも定着してきました。これは一つの大きな成果だと捉えています。次のステップは、生徒の学習成果実感です。

学習は、「させられているけど、何の役に立っているのかわからない」と捉えているのと「確かに成果につながっている」と実感できているのでは、効果に大きな違いが出てきます。もしも前者の比率が高いなら、方法を改めなければなりません。

大切なことは、「本校の生徒に合った朝学習、学習ツールとは」「本校の生徒に合った教員からの働きかけとは」といったことを常に考えることですから、それを常に念頭に置き、今後もMonoxerの活用を進めていきたいと思っています。

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