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学校法人佐々木学園 東京グローバルビジネス専門学校 様 活用事例 「Monoxerを当たり前の存在にする秘訣とは」

導入組織について

「新しいビジネスにチャレンジするグローバル人材を育てる」という教育理念のもと、グローバル社会で活躍できるビジネス人材を育成する専門学校。東京都豊島区にあり、実践的なビジネススキル、語学力、各種資格取得を目指せるカリキュラムを提供する。様々な国籍の留学生と同じクラスで学べる環境があり、多様な文化や価値観に触れることで、実践的な国際感覚を養えるのが強み。

活用サマリー

Monoxer活用シーン/科目

・ 学年: 1,2年生
・ 科目: 言語検定対策Ⅰ・Ⅱ(JLPT対策)
・ 活用シーン: 宿題や自宅学習
・ 使用コンテンツ: オリジナルコンテンツ
・ Monoxer導入年度:2021年度

導入目的

・学生の基礎語彙力を可視化し、学習習慣を定着させる
・JLPT対策と同時に、日本語力全体(語彙力・就職用語)の底上げを図る

課題

・留学生は学習意欲は高いが、日本人学生に比べ学習量が不足しがち
・コロナ禍の当時、学習の仕組みを再設計する必要もあった
・語彙学習は成果がすぐに可視化されにくく、学習習慣の定着が不可欠

取り組み

・入学直後から宿題とテストを組み合わせて学習サイクルを徹底
・JLPTや就職に必要な語彙を中心にタスクを柔軟に配信
・宿題の完了者をクラス内で称賛・共有し、自然な学習文化を形成
・Book作成を3名の教師で分担し、持続的な教材更新を実現
・新任教員研修で「教育目的」と「Monoxer導入の意義」を必ず共有

効果

・「Monoxerで勉強するのが当たり前」という文化が定着
・学習計画達成率・記憶度ともに100%を実現
・担任の声かけや進捗管理により、全員が継続的に学習できる仕組みを構築
・教員側も目的を理解しながら活用できるため、組織全体で教育効果を最大化

今回お話を伺った方

山田竜一朗先生

・現在担当されているお仕事:
進路支援、入試広報、教育支援。学生の卒業後の進路をサポート

・領域について:
学生を送り出すプロセスの管理指導。学生の就職予定企業様とのやりとり、学生の進路指導、学生の学力向上施策など。

・お仕事で大切にされていること:
結果を出すこと。結果を出すためにやるべきことをやらなければ仕事ではないため。

・ご家族構成、ご趣味、休日の過ごし方、マイブームなど:
休日の過ごし方は、ソフトボール、ランニング、お酒を飲むこと

【導入目的】基礎語彙力を可視化し、学習習慣を定着させたい

御校の特色や教育方針について教えてください。

在籍する多くの学生が日本での就職を目標としている点が当校の特色ではないでしょうか。また、その実現には日本語を始めとした様々な知識・能力を習得する必要がありますので、前提として勉強にしっかりと取り組む意識をもってもらうことを重視しています。こうした方針を明確に掲げているため、入学時点で勉強に対して高い意識をもった生徒が多いように思います。

ーMonoxer導入を検討された当時、どのような課題があったのでしょうか。

入学時から「日本で働きたい」という明確な目標を持つ学生が多く、学習意欲は高いのですが、日本人学生と比べるとどうしても学習量が不足しがちなのが正直な印象でした。また当時はコロナ禍という背景から、EdTech(エドテック=テクノロジーを用いて教育を支援する仕組みやサービス)を検討して学習形態の改善・見直しを図ろうかというタイミングでもありました。

ーMonoxerを選ばれた理由についてお聞かせください。

検討を進めていくなか、EdTech(エドテック)を謳い映像授業を行えるものなど、様々なツールの存在を知りました。ただ、まずは勉強量をしっかりと確保できるツールが良いという考えがあったんです。その点でMonoxerは、「進捗や成果の可視化ができて数字で物事を測れるので、学生にも指導しやすい」と感じたのが1番の選定理由ですかね。

あと日本人が英語を学ぶケースと同じで、例えば語彙力を増やしたからといって必ず直ぐに成績が上がるわけではありません。それよりもMonoxerの活用を通じて、学習量を確保しつつ学習習慣を身に着けてもらいたいという期待をもっていました。

【効果実感】「Monoxerで勉強するのが当たり前」という文化へ

ー学習計画100%・記憶度100%を実現されている御校の工夫などを教えてください。

入学式翌日のオリエンテーションの時点で、Monoxer活用の動機付けを行うのが1番の特徴かもしれないですね。そこですぐ宿題も出しますので、翌週にはテストという流れになります。この流れは、ゴールデンウィークを挟んでしまうと、どうしてもダレてしまうのは分かっているので、あえて間髪入れずに即取り組んでもらっています。

ーその際は、具体的にどのようなことを伝えているのですか?

「毎週火曜日にテストがあること」「宿題として取り組んでもらうこと」を伝えます。その上で、スクリーンショットしたMonoxerの画面を見せながら、記憶度が100%になってる部分を見せて「この状態がゴール」「やらないと70%で赤や黄色になる」といった運用面を伝達して、受講回数もでるので「1回じゃ絶対宿題が終わらない、何回かトライしてゴールを達成できる」というのも、全部最初の段階で伝えるようにしていますね。さらに、実際にその場で体験してもらいます。

ーMonoxerは宿題としての位置付けが主でしょうか。

基本的には、毎週必ず宿題として出しています。授業で学んだ内容の復習として使う場合もあれば、学校として特に覚えてほしい語彙やフレーズを出す場合もあります。要するに、授業内容の振り返りと、新しい学習項目の両方の目的で活用しています。

ー学生への声かけはどのようにされていますか。

入学直後は、宿題としてやるべきこと、やらないとどうなるかを明確に伝えます。ですが、5月頃にはもう「やるのが当たり前」という文化になっているので、私から特別に指示することはほとんどなく、担任からの週次チェックだけで十分です。学生は自分で進める習慣が身についています。

ー「やることが当たり前」になるまでに、苦労する学生はいませんか。

もちろん、最初は取り組みが遅れる学生もいます。ただ、各担任は事前研修で「なぜMonoxerを導入したのか」を理解できていますので、遅れが出ないように週ごとでしっかりと進捗を確認しています。私も漏れがあれば直接確認し、「やっていない/やった」という状況を学生にフィードバックするようにしています。この仕組みにより、自然と全員が学習を継続する文化が定着します。

【活用方針】日本語力を土台から伸ばすためのMonoxer活用

ーMonoxerの活用方針についてより詳しくお聞かせください。

そうですね。先ほどお伝えしたように宿題をメインとしながら、朝学習、復習、予習といった場面で活用しています。ただ、本来の目的と異なってしまうので授業などではなるべく使わないようにしています。これは学校の場以外で勉強して、勉強量を確保してもらいたいという想いがあるためです。

最初は「宿題が多い」と言う学生の声もありますが、入学直後からこのスタイルを徹底しているので、5月から遅くても夏休み頃には「やって当たり前」という感覚に変わります。学生自身も自宅での学習に慣れ、自然と日常的に学習を続けるようになります。

ータスクの配信はどのように行っていますか。

日本での就職を意識している学生が多いため、必要な日本語の単語や表現を中心にタスクを配信しています。時期や目的に応じて内容を柔軟に変えており、JLPT対策や就職用語など、その時々の学習目標に沿った教材を提供しています。

【活用のポイント①】反復学習で「定着度」を最大化する工夫

ーMonoxerでの学習内容について、特に意識されているポイントを教えてください。

一番の特徴は、1週間あたりのタスク量を20エントリから40エントリに設定している点です。これは留学生が無理なく取り組める適切な量として、日本語教師の先生方と相談しながら決めています。個人的には少ないかなと感じていましたが、繰り返し取り組むことでしっかりと定着できる量として、この範囲に落ち着きました。

20問のタスクであれば5〜6回、40問であれば7〜9回ほど繰り返すことで、ほぼ完全に習得できる計算です。学生には「1回やっただけで終わり」ではなく、何度も挑戦して記憶度を100%にすることを目標にしてもらっています。

あと基本は20から40問の範囲ですが、必要に応じて問題数を上げることもあります。例えばテスト直前や、学習効果を一段引き上げたいタイミングでは100問程度を出すケースもあります。JLPT対策だから増やす、といった固定的な基準ではなく、「ここまで覚えてほしい」という物量を逆算して設計するイメージですね。結果的にJLPTのレベルごとに課題量も変わるので、必要な成長段階に合わせた調整を行っています。

ー学習時間や回数についても指定されているのでしょうか。

特に時間の指定はしていません。漢字を日常的に使う国の学生と、そうでない学生とでは習得のスピードに差があります。そのため、量や時間ではなく「記憶度100%に到達すること」を共通のゴールに設定しています。評価の基準も回数やスピードではなく、あくまで「定着度」です。

活用ポイントまとめ

1週間20〜40問をベースに設定し、繰り返し挑戦させる

必要に応じて100問程度まで増量し、試験対策もカバー

習得スピードの差に関わらず「記憶度100%」を共通ゴールに設定

【活用のポイント②】達成者を讃えて全体のモチベーションを引き上げる

ー学生のモチベーションを維持するために工夫されていることはありますか。

導入期、特に1年生の最初の段階では「やることが当たり前」という意識を根付かせることを重視しています。そのために各クラスのチャットグループで、宿題を終えた学生の名前を共有したり、小テストの良い結果を称賛したりしています。単に「やっていない人を指摘する」のではなく、「終わった人を褒める」スタイルです。これによって、達成感を持たせながら他の学生のやる気も自然に引き上げられるんです。

ー休暇中の学習についても同じような取り組みをされていますか。

はい。夏休みや冬休みなど、通常より学習量が増えるタイミングでも同じように完了順に名前を出しています。「あの人はもう終わったんだ」という刺激を与えることで、自然と取り組みを促すことができます。掲示板のようにリストが埋まっていく感覚は、学生にとって良いプレッシャーにもなっていますね。

ー先生方はどのように進捗を確認されているのでしょうか。

各担任が管理画面で毎週進捗をチェックしており、アクティブ率やタスク完了率が100%になっているかを確認しています。もし未完了の学生がいれば、その段階で声をかけ、取り組みを促すよう徹底しています。これにより、全員が必ずタスクをこなすという文化が形成されています。

ーなぜここまで徹底できているのでしょうか。

やはり最初の導入期に「Monoxerはこの学校で学ぶうえで必ずやるもの」という位置づけを明確に伝えているからだと思います。単なる宿題ではなく、日本語力を伸ばし、日本での進学や就職につなげるために不可欠な取り組みであると理解してもらうことが重要です。その姿勢づくりを重視するからこそ、学生自身も自然に「やって当たり前」と感じられるのではないでしょうか。

活用ポイントまとめ

宿題の完了者を「褒める」スタイルで共有し意欲を喚起

休暇中も名前リストを掲示し、自然と学習が促される仕組みを維持

担任が週次で進捗を確認し、未実施者へ必ずフォロー

【活用のポイント③】先生達へも「目的と役割」の理解を徹底

ー先生方への研修や運用ルールの共有はどのように行っているのでしょうか。

新任の先生には学生たちの夢や目標を伝えた上で、「なぜMonoxerを導入しているのか」「担任は何を担うべきか」を明確に示します。具体的には、週次テストの管理や未実施者への声かけを担任の役割として明示し、運用基準を徹底してもらうようにしています。

ー管理や教材作成の体制についても教えていただけますか。

Book作成は日本語教師資格を持つ3名の先生で分担しており、1人の先生に負担が集中しないよう工夫しています。そのおかげで、新しいコンテンツを継続的に追加していける体制ができています。

また、管理画面でクラスごとの進捗差を確認できるため、もし特定のクラスだけ遅れがある場合には、担任に「結果的に損をしてしまうのは学生」だと伝えて理解を促すようにしています。こういった場面で、他クラスとの進捗差などを客観的な数値データとして把握できる点もMonoxerの良いところだと思います。

ー実際に先生方へはどのような研修を行っているのでしょうか。

新任の先生には入社時の研修でMonoxerの使い方を一通り体験してもらいます。その際、学校としての教育目標を改めて共有し、そこに日本語学習が直結していることを理解してもらいます。さらに、Monoxerを使う意味や活用の仕方を紐づけることで、先生自身も「自分が管理する理由」を納得した上で現場に入れるようにしています。

活用ポイントまとめ

Book作成を3名で分担し、持続的に新教材を追加できる体制を整備

管理画面で進捗差を可視化し、担任へ客観的にフィードバック

新任教員への研修で「目的と役割」を明確に共有し浸透を促進

【今後の展望】学生皆が目標を達成する未来に向けて

ー最後に、今後の展望を教えてください。

二つあります。まず一つは学習したことが外部の資格試験に反映されているかを確認できれば良いなと考えています。Monoxerで出題した語彙がJLPTで実際に出題されていると分かれば、学生にとって「勉強した価値」がより明確になります。ただJLPTの問題は非公開でブラックボックスなのでここはなかなか難しいかもしれません。

もう一つは学習負荷の段階的な引き上げです。現在は週1回のテスト運用ですが、可能であれば週2回など小テストの日数を増やし、より学習量を確保したいですね。学生が日本語力を着実に伸ばして、試験合格や目標を達成した先で喜んでもらうためには、「嫌われても構わない」という気持ちで、勉強の機会を増やす必要があるとも思っています。日程調整やタスク配信タイミングの調整は必要ですが、土台が固まっているので負荷を上げれば成果に近づくはずだと期待しています。

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