
教育担当者必見!接客スキル11個と習得法【スキルシート付】
「社員の接客スキルにより、顧客、売上獲得に差が出始めている....自社の接客スキルを揃えたいけれど、どのようなスキルを基準にすればいい?」
「クレームやトラブルが増えて接客スキルの向上が課題になっている....接客スキルを向上させたいけれど、どのように教えればいいの?」
自社の更なる成長のために、接客スキルの向上を任せられる育成担当者は多いでしょう。
しかし、いざ接客スキルを鍛えようと思っても、実際にどのようなスキルが必要なのか、どのように習得するべきか悩むところではないでしょうか。
接客スキルは大きく分けると、下記の4つのスキルで成り立っています。
これらのスキルを全て習得して、初めて接客スキルがある情報になります。
ただし、接客スキルは「知っている」だけでは、現場で実践ができません。
接客スキルにはどのようなスキルがあるのか理解したうえで、実践できるように知識習得と実践の2軸でスキルを向上させることが必要です。
そこでこの記事では、接客に必要なスキルと企業が接客スキルの向上を目指すステップをご紹介します。
この記事を最後まで読めば理想の接客に必要なスキルが分かり、スキル向上のために具体的な取り組みができるようになります。
接客スキルを向上させて顧客から選ばれる企業になるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- ・1.【教育担当者必見】接客に必要な11のスキル
- ・2.【接客スキル(1)】観察力(顧客の状況を把握すること)
- ・3.【接客スキル(2)】提案力(顧客の状況に合わせて適切な対応をすること)
- ・4.【接客スキル(3)】好印象(顧客がマイナスに思うマナー違反を起こさないこと)
- ・5.【接客スキル(4)】商品知識(提案するために自社商品の魅力や特性を理解している)
- ・6.接客スキルは知識と実践の両方がなければ身につかない
- ・7.自社の接客スキルはどれぐらい?スキルチェックシート
- ・8.企業が接客スキルの向上を目指す4つのステップ
- ・9.接客スキルの知識は勉強と同じで「反復学習を促そう」
- ・10.まとめ
1.【教育担当者必見】接客に必要な11のスキル
冒頭でもお伝えしたように、接客スキルは「観察力」「提案力」「好印象」「商品知識」の4つの要素で成り立っています。
顧客に好印象を与えて、しっかりと顧客の理解をしたうえで、適切な商品知識を持ち提案をする接客の全行程に必要な要素です。
この要素を細かく分けると、下記の11のスキルに分類できます。
接客に必要なスキル一覧 | |
観察力 | |
質問力 |
顧客の要望や現状を正しく理解するために、的を射た問いかけをする力 |
共感力 |
顧客の立場や現状を理解して、顧客の感情に寄り添える力 |
提案力 | |
コミュニケーション力 |
顧客の意図や考え方を理解して意思疎通が図れる力 |
柔軟性 |
状況や顧客の考え方などに応じて、焦らず臨機応変な対応ができる力 |
マルチチャネル対応 |
顧客の状況や関係性を踏まえて、最適な方法でコミュニケーションを図る力 |
好印象 顧客に不快感、ストレスを与えず信頼してもらえる印象を残す力 | |
ビジネスマナー |
顧客が見ていて不快に感じない身だしなみや言葉遣いなどのマナー |
ノンバーバル |
状況や顧客の考え方などに応じて、焦らず臨機応変な対応ができる力 |
商品知識 商品やサービスの特徴を分かりやすく顧客に勧められるようになる力 | |
商品知識 |
商品やサービスの特徴を分かりやすく顧客に勧められるようになる力 |
これらの接客スキルはどれか1つを習得すればいいわけではなく、全てのスキルが相互に関係し合っています。
そのため、基本的には全ての接客スキルの習得を目指す必要があるでしょう。
ただし、接客スキルの取得は難しいものではなく「どのようなスキルが必要なのか」理解できれば、実践を積み少しずつできるようになります。
次の章からは接客スキルを1つずつ詳しく解説していくので、必要なスキルが身についているのか確認してみてください。
2.【接客スキル(1)】観察力(顧客の状況を把握すること)
1つ目は、顧客の状況を正しく把握する「観察力」です。
観察力がないと顧客のニーズや現状を正しく把握できず、的確な提案ができないからです。
観察力を細かく分けると、質問力と共感力の2つの要素が含まれています。
ここでは、質問力と共感力を詳しく解説するので、自社の接客には備わっているか確認してみてください。
観察力に必要なスキル | |
質問力 |
顧客の要望や現状を正しく理解するために、的を射た問いかけをする力 |
共感力 |
顧客の立場や現状を理解して、顧客の感情に寄り添える力 |
2-1.質問力
質問力とは、顧客の要望や現状を正しく理解するために、的を射た問いかけをする力です。
誰でも初めて会う人の考えていることや、求めていることを質問なしで理解することはできません。
初めて自社の店舗に来店した顧客がいたとしましょう。
持ち物や雰囲気から好みなどを想像することはできても、本当の来店の目的や今の悩み、提案して欲しいことなどは質問しないと見えてきません。
つまり、質問力がなければ、顧客の現状や要望を理解できず、その後の提案や会話にもずれが生じてしまうのです。
ここで重要なのは、質問さえできれば「質問力がある」わけではないことです。
顧客との関係性やシチュエーションに応じて、下記のような質問形態を使い分けて、必要な情報を引き出すことが求められます。
例えば、初めて来店したお客様に「当店のご利用は初めてですか?」と特定質問するだけでは、利用経験の有無しか把握できません。
これでも質問をしたことにはなりますが、顧客のニーズや悩みを理解して提案につなげる状態まで至っていません。
利用経験の有無の質問をきっかけに下記のような様々な質問をして、顧客のニーズや悩みを的確に捉えるところまで実施して質問力が高い状態になるのです。
【質問力がある例】 店員:「当店のご利用は初めてですか?」(きっかけづくり) このように、1つの質問をきっかけに顧客のニーズ、悩みを掘り下げることでニーズに合う的確な商品を提案できる |
質問力を身につけるには質問のバリエーションを増やすのはもちろん、共感力やコミュニケーション力、柔軟性が求められます。
2-2.共感力
共感力とは、顧客の立場や現状を理解して、顧客の感情に寄り添える力のことです。
人は興味、関心を持ってもらえない顧客を信頼して、情報や思いを伝えることはありません。
接客時に顧客の意見や思いに寄り添わずに「この商品がおすすめです」「この色が人気です」などの情報だけを伝えても、商品を購入したいと思ってもらえません。
まずは顧客に寄り添い理解しようとする姿勢を示すことが、顧客のニーズや悩みを把握するための第一歩なのです。
共感力は、主に下記の要素で構成されています。
ただ顧客の思いに寄り添うのではなく共感、信頼を得て、顧客の理解につなげなければなりません。このときに重要になるのが、積極的に自己開示(自分の情報、体験を顧客に伝える)することです。
例えば「洗濯がしにくくて、この素材の服は買いたくないんです」と顧客が自分の考えを話したとしましょう。
このときに「そうですよね」「分かります」で終わるのではなく「分かります。実は私も同じように思っていました。一度洗濯で失敗したこともあります。今は〇〇で対策をしています」など、自身の同じような経験を話すとぐっと距離が縮まります。
このときに、ただ顧客の話や思いに共感するところから一歩進み、顧客と共感できるストーリーを提供できる状態が共感力が高いと言えるでしょう。
3.【接客スキル(2)】提案力(顧客の状況に合わせて適切な対応をすること)
2つ目のスキルは、提案力です。
顧客のニーズや悩みに合う提案ができなければ、顧客の期待を上回る価値提供ができないからです。
顧客は何からの悩みや期待があり、商品やサービスを検討しています。
しかし、本当にその商品やサービスが自分に合うのか、購入したほうがいいのか自己判断できないケースが多いです。
そこで、顧客の現状やニーズを理解したうえで、一人ひとりに合う提案をする力が求められます。
提案力には下記の要素が含まれているので、提案力を身につけるにはどのようなスキルが必要なのか確認してみましょう。
提案力に必要なスキル | |
コミュニケーション力 |
顧客の意図や考え方を理解して意思疎通が図れる力 |
柔軟性 |
状況や顧客の考え方などに応じて、焦らず臨機応変な対応ができる力 |
マルチチャネル対応 |
顧客の状況や関係性を踏まえて、最適な方法でコミュニケーションを図る力 |
3-1.コミュニケーション力
コミュニケーション力とは、顧客の意図や考え方を理解して意思疎通が図れる力のことです。
簡単に言うと、自分の意見と顧客の意見を上手に伝え合いながら、言葉のキャッチボールをする力を指します。
接客を受けるときに「店員が一方的に話をする」「自分の意見がなかなか伝わらない」など円滑なコミュニケーションが取れないと、顧客はストレスだと感じます。
顧客の悩みや思いを汲み取り、柔軟な提案をするためにも、コミュニケーション力は欠かせません。
コミュニケーション力は「自分の意見を伝える力」だと捉えがちですが、実は下記のような要素で構成されています。
※ノンバーバルコミュニケーションについては「4-2.ノンバーバルコミュニケーションスキル」で解説しています
とくに、重要なのは、自分の意見を整理して伝えることです。
コミュニケーション力の高い人は「どのように伝えれば、顧客に理解してもらえるのか」まで考えています。
ただ単に自分の意見や思いを伝えて理解してもらおうとするのではなく、下記のようなPREP法などを意識して、顧客が受け取りやすい形で思いを伝えることが重要です。
【顧客が受け取りやすい形で意見を伝える「PREP法」の例】
|
もちろん、自分の意見を伝えるだけでなく、共感力があり顧客の思いを汲み取れるところもコミュニケーション力が高い人の特徴だと言えます。
3-2.柔軟性
柔軟性とは、状況や顧客の考え方などに応じて、焦らず臨機応変な対応ができる力のことです。
接客では、クレームや無理な要求など、想定していなかったトラブルが起きることがあります。
トラブル時は普段のマニュアルやトークは通用せず、臨機応変な対応が求められます。
このときに現状を正しく把握して最適な判断をするために、柔軟性が欠かせません。
ただし、トラブル回避の方法を多く習得していれば、柔軟性が高まるわけではありません。
下記のような様々な要素を踏まえて「顧客にとってベストな判断とは何か」が分かり、そこに向けて前向きな解決策を提示することが重要です。
例えば、「購入した商品が故障していた」というトラブルが発生したとしましょう。
このときに、新しい商品に変えるだけでは柔軟性が足りません。
顧客は新しい商品に交換して欲しいのではなく、謝罪や返金を求めているのかもしれません。
顧客の話や思いに耳を傾けたうえで、今できるベストな判断を下すことが柔軟性が高いと言えます。
このケースなら、まずは謝罪をして顧客の要望に応じて、交換と返金ができると提示します。
顧客が返金を選択した場合は謝罪をして購入金額をしっかり返金する対応が、柔軟性が高いと言えるでしょう。
3-3.マルチチャネル対応
マルチチャネル対応とは、顧客の状況や関係性を踏まえて、最適な方法でコミュニケーションを図る力です。
昨今は業種によっては対面での接客だけでなく、電話やメール、チャットなど様々なチャネルで顧客と接点が持てるようになりました。
例えば、お問い合わせフォーム経由で連絡があった顧客とまずはメールでコミュニケーションを取り、その後対面で接客をすることも考えられるでしょう。
チャネルにより温度感やルールが異なるため、チャネルに応じた接客をするスキルが求められます。
マルチチャネル対応では、チャネルごとの接客方法と使い分けを理解して、コミュニケーションを最適化する必要があります。
注意したいのは、マルチチャネルが使える=マルチチャネル対応力が高いではないことです。
メールや対面、チャットなど様々なチャネルが使えても、顧客の満足度向上や課題解決などにつながらなければ意味がありません。
例えば、普段はメールでコミュニケーションを取っている顧客でも課題、クレームなどが起こりそうな場合は対面で話す場を設けて、コミュニケーション手法を最適化することが大切です。
顧客の状況に応じて適切なチャネルを選択して、良好な関係を継続できることがマルチチャネル対応力が高いと言えるでしょう。
4.【接客スキル(3)】好印象(顧客がマイナスに思うマナー違反を起こさないこと)
3つ目のスキルは、顧客に好印象を与えることです。
接客業では顧客と会った最初の3~6秒で、印象が決まると言われているからです。
顧客に与える印象が悪いとそれだけで信頼を得にくく、購入や検討が遠のいてしまいます。
だからこそ「自分だったらどのような店員から話を聞きたいか」と考え、顧客に好印象を与える身だしなみ、振る舞いをすることが求められます。
好印象には下記の要素が含まれているので、好印象を目指すにはどのようなスキルが必要なのか確認してみましょう。
好印象に必要なスキル | |
ビジネスマナー |
顧客が見ていて不快に感じない身だしなみや言葉遣いなどのマナー |
ノンバーバル |
状況や顧客の考え方などに応じて、焦らず臨機応変な対応ができる力 |
4-1.ビジネスマナー
ビジネスマナーとは、顧客が見ていて不快に感じない身だしなみや言葉遣いなどのマナーのことです。
ここで不快感や違和感を覚えると「説明を聞きたい」「商品を買いたい」という気持ちが薄れてしまい、具体的な検討に進みません。
接客業では想像以上に、第一印象を左右する身だしなみや雰囲気、言葉遣いが重要なのです。
ビジネスマナーの5大原則には、下記の5つが含まれています。どれか1つでもかけていると、ビジネスマナーがあるとは言えません。
ビジネスマナーが高い人は、顧客に応じて表情やあいさつを変えるなどの工夫ができています。
例えば、飲食店では「おはようございます」の後に「これからお仕事ですか?」「本日もありがとうございます」など、顧客に応じた一言を付け加えている場合があります。
最低限のビジネスマナーに加えて個別最適化することで、より好印象を持ってもらえるでしょう。
4-2.ノンバーバルコミュニケーション
ノンバーバルコミュニケーションとは、声のトーンや身振り手振り、話す速さなど「話す」以外のコミュニケーションの要素のことです。
メラビアンの法則では、コミュニケーションを取るときに顧客を判断する要素として「言語が7%」「聴覚が38%」「視覚が55%」の影響を与えていると言われています。
つまり、十分な関係が築けていない段階では、いくら顧客に寄り添って話をしても資格や聴覚から得られる情報にマイナスがあると好印象を抱いてもらいにくいのです。
ノンバーバルコミュニケーションには下記の要素があり、どれか1つを意識するのではなく全部を意識することが重要です。
【ノンバーバルコミュニケーションの例】 ・顧客の話を聞いて頷く |
例えば、顧客が来店したときに「いらっしゃいませ」と立ったまま、早口、暗いトーンであいさつをされても良い気はしません。
「いらっしゃいませ」というときに頭を下げつつ明るいトーン、ゆっくりとした速度を意識するだけでも、ノンバーバルコミュニケーションを有効活用できます。
【ノンバーバルコミュニケーション力を高めるにはミラーリング効果も効果的】
ミラーリング効果とは、顧客の行動や表情を真似して距離を縮める手法です。 ゆっくりと話す顧客の速度に合わせる、顧客が笑顔になったら自分も笑顔になるなど、顧客のノンバーバルコミュニケーションを真似ることで、顧客との距離を縮められるでしょう。 |
5.【接客スキル(4)】商品知識(提案するために自社商品の魅力や特性を理解している)
4つ目の接客スキルは、商品知識です。
扱っている商品やサービスの知識が乏しいと最適な提案ができないのはもちろん、顧客からの質問に回答できないからです。
例えば、顧客から「この商品の〇〇の機能について知りたいです」と質問があったときに「次回までに回答します」「後日返答します」では、顧客の熱量が冷めてしまいます。
顧客が商品、サービスの検討時に必要な情報をベストなタイミングで提供するためにも、接客時に商品知識は必須です。
扱っている商品や業界により必要な知識に差はありますが、一列として下記のような知識が求められます。
商品知識と聞くと「商品やサービスの基本情報」のみを指していると感じるかもしれませんが、商品やサービスの特徴を知り、顧客に勧められるようになる知識全般を指します。
例えば、「この商品は〇〇の特徴があります」で終わると、購入の判断に至りにくいです。
顧客の興味関心具合に応じて「このような使い方ができます」「市場規模が拡大しています」などの情報が提供できる状態が、接客スキルが高いと言えるでしょう。
6.接客スキルは知識と実践の両方がなければ身につかない
ここまで、接客時に必要なスキルを1つずつ解説してきました。
具体的なスキルが分かり「接客スキルを身につけていきたい」と感じた方も多いでしょう。
接客スキルを身につけるときに知っておきたいのは、知識と実践の両軸が必要だということです。
例えば、自転車に乗れるようになりたいと思ったとき、理論や知識を詰め込むだけでは自転車に乗れるようにはなりません。実際に自転車に乗って練習を積むことが必要です。最初はバランスを取るのが難しいかもしれませんが、繰り返し実践を重ねることで、徐々に自転車に乗るスキルが身につきます。
接客も同じで、コミュニケーション力や共感力などのスキルを知っているだけでは、現場で活躍して「接客スキルがある」状態には到達できないのです。
下記のように、知識と実践の2軸で接客スキルを身につけることを目指しましょう。
スキル項目 |
スキルを高める方法 |
質問力 |
(知識)
・様々な質問の形態を理解する ・顧客心理を学ぶ(どのようなタイミングで質問をするかなど)
|
(実践) ・ロープレをして顧客理解できる質問を目指す | |
共感力 |
(知識) ・共感力に必要な要素を理解する ・どのような行為が共感力に該当するのか理解する |
(実践) ・共感力の高い社員の動作、言動を真似する | |
コミュニケーション力 |
(知識) ・コミュニケーション力の要素を理解する ・論理的思考など自分の意見を整理する方法を学ぶ |
(実践) ・ロープレをしてコミュニケーション力を高める ・コミュニケーション力の高い社員と比較して足りない部分を練習する | |
マルチチャネル対応 |
(知識) ・柔軟性の要素を理解する ・トラブルの解決例などを読み、対処法を理解する |
(実践) ・様々な場面を想定して臨機応変な対応を目指すロープレをする ・様々な場面を想定した対応方法のクイズ、問題を出し合う | |
ビジネスマナー |
(知識) ・チャネルごとのルール、マナーを学ぶ ・チャネルごとの使い分け方を理解する |
(実践) ・様々なチャネルでコミュニケーションを取る練習をする ・社内でも複数のチャネルを活用する | |
ノンバーバル
コミュニケーション
|
(知識) ・ビジネスマナーの要素を理解する ・ビジネスマナー研修を受ける ・どのような状態がマナー違反なのか理解する |
(実践) ・ビジネスマナーのテストを実施する ・社内でビジネスマナーを確認し合う | |
商品知識 |
(知識) |
(実践) |
7.自社の接客スキルはどれぐらい?スキルチェックシート
接客スキルを向上するには、自社の現状の接客スキルを可視化する必要があります。
そのときに役立つのが、接客スキルのチェックシートです。
「8-1.自社の接客スキルの基準を決める」でも解説しますが、基本的には自社の業種、業務内容、理念などを踏まえて、接客スキルの基準を明確にしたうえで、自社独自のスキルチェックシートを作成します。
ここでは、一列として今回ご紹介したスキルをベースに、接客スキルチェックシートを作成してみました。
自社のスキルチェックシートの作成時やスキルの可視化にお役立てください。
8.企業が接客スキルの向上を目指す4つのステップ
企業が接客スキルの向上を目指すときには、上記の4つのステップに沿って進めるといいでしょう。
「自社の社員の接客水準を上げたい」「社員による接客スキルの差を埋めたい」と感じている場合は、ぜひこのステップに沿って実施してみてください。
8-1.自社の接客スキルの基準を決める
まずは、自社の接客スキルの基準を決めましょう。
どのようなスキルでも明確な基準を設けないと、スキルがどの程度あるのか判断できないからです。
自社の接客スキルの基準を決めるときは「1.【教育担当者必見】接客に必要な11のスキル」を軸に、自社の求める基準を細かく設定するといいでしょう。
例えば、ビジネスマナーの場合は、下記のように細かく決めて「自社の接客でビジネスマナーがあるとはどのような状態を指すのか」明確にしておきましょう。
【ビジネスマナーのスキル基準の例】
|
また、自社の接客スキルの基準を決めるときには、社内の視点に偏り過ぎないこともポイントです。
接客では「第三者がどう感じるか」が重要なので、顧客アンケートや外部調査などを活用して、第三者から見て望ましい接客スキル基準も取り入れるようにしましょう。
8-2.現在のスキルを可視化する
自社の接客スキルの基準が明確になったところで、社員の現在の接客スキルを可視化しましょう。
自社が求める接客スキル基準と現在の社員のスキル差が分からないと、何のスキルが不足しているのか分からないためです。
社員のスキルを可視化するには、下記の方法が検討できます。
【社員のスキルを可視化する方法】
|
例えば、自社の接客スキル基準を基に接客スキルテストを作成します。社員が受講することで、スキルを数値化できるでしょう。
接客スキルを可視化できたら、不足しているスキルはないか確認します。
例えば、ビジネスマナーは接客スキル基準以上であっても柔軟性、共感力が基準以下の場合は、この2つのスキルが課題になっていると判断できます。
8-3.スキル不足を補う学習をする
ここまで来たら、自社の不足している接客スキルを補うための学習をします。
習得するスキルによって向いている学習方法が異なりますが、一列として下記のような方法が検討できるでしょう。
スキルを補う学習をするときのポイントは、知識習得と実践を組み合わせることです。
講座に参加するだけの知識習得だけでは、知識を使える領域まで至りません。
習得した知識を活用するロープレやテストと組み合わせて、接客で使える知識として学びを深めていくことが重要です。
8-4.個々の接客スキルに応じたフォローをする
接客スキルの向上を目指す場合は、できる限り一人ひとりの接客スキルに応じたフォローをしましょう。接客スキルは個人の差が出やすいスキルなので、全員で一斉に高めようとしても均一化しにくいからです。
例えば、Aさんはコミュニケーションスキルが不足しており、Bさんは柔軟性が不足しているとしましょう。
全体研修ではコミュニケーションスキルしか扱えない場合、Bさんは苦手分野を伸ばしにくくなります。
接客スキルは多岐に渡り得意不得意の差も大きいので、下記のように個別にフォローできる機会を設けましょう。
【接客スキルを向上させるための個別フォローの例】 ・1on1で苦手分野をフォローする |
例えば、毎月の1on1で苦手な接客スキルをフォローする練習の場を設けるのもいいでしょう。
9.接客スキルの知識は勉強と同じで「反復学習を促そう」
企業が接客スキルの向上を目指すときには、研修をして終わりではなく反復学習(同じ内容を繰り返し学習する)が必要です。
なぜなら、一度の学習では、誰でも時間の経過とともに覚えた知識を忘れてしまうからです。
記憶定着の有名な研究に、ドイツの心理学者「ヘルマン・エビングハウス」が唱えたエビングハウスの忘却曲線があります。
この研究では100%覚えたとしても、20分後には42%忘れてしまい、1日後には74%忘れてしまうことが分かっています。
つまり、せっかく接客スキルを学んでも復習をしなければ、現場で実践できる「接客スキル」として定着しまいのです。
だからこそ、企業が接客スキルの向上を目指すときには、反復学習ができる体制を整えておくことが重要です。
とは言え「今まで復習のフォローをしていない」「接客スキルの定着は個人に任せている」など、どのように反復学習をすればいいのか分からないケースも多いでしょう。
そこでおすすめなのが、記憶定着をサポートする学習プラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」です。
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このように、「Monoxer」を活用して一人ひとりの現状に応じた反復学習をすることで、使えるスキルを目指せます。
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10.まとめ
この記事では、接客に必要な8つのスキルや企業で接客スキルを向上させる方法をご紹介しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇接客に必要なスキルは下記のとおり
〇接客スキルは知識と実践の両方がなければ身につかない
〇企業が接客スキルを向上させるためのステップは下記のとおり
・ステップ1:自社の接客スキルの基準を決める
・ステップ2:現在のスキルを可視化する
・ステップ3:スキル不足を補う学習をする
・ステップ4:個々の接客スキルに応じたフォローをする
接客スキルはどのようなスキルが必要なのか理解をして、適切な知識習得、実践ができれば少しずつ身につけることが可能です。
ただし、接客スキルはどうしても差が出やすい領域なので、個別にフォローをしつつ反復学習をすることがおすすめです。
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