「OJTがうまくいかない」ときに考えられる6つの原因と改善方法を紹介
新入社員や中途入社の社員を対象とした「OJT」は、現場での業務を通して行うため、即戦力の育成に適した教育方法といえます。ただし、中には「OJTを実施しているがうまくいかない」「思ったような効果が出ない」「現場の負担が大きい気がする」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
この記事では、OJTがうまくいかないと悩んでいる人事担当者に向けて、考えられる原因と改善方法を解説します。「OJTを改善したい」「成功させたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
OJTの目的

OJTとは、職場の上司や先輩社員などが部下や新入社員などに対して、日々の業務を通じてマンツーマンで指導を行い、業務に必要な知識・スキルを身に付けさせるものです。
OJTを実施する目的は、業務効率の向上や新入社員などの不安の解消、職場への定着率アップなどが挙げられます。
OJTを適切に実施することで、座学による研修だけでは得られない学びを得られるほか、即戦力の育成にもつながるなどのメリットが期待できます。
OJTがうまくいかないときに考えられる6つの原因

さまざまな効果が期待できるOJTですが、一方で「なかなかうまくいかない」と悩む担当者の方も少なくないでしょう。ここでは、OJTがうまくいかないときに考えられる原因について、代表的なものを6つ解説します。
教育が現場に丸投げされており余裕がない
OJTを全て現場に丸投げしていると、負担が大きく社員の育成がうまくいかない恐れがあります。
現場の社員の全員が育成に関する知識・スキルを身に付けているとは限りません。通常業務をこなすのは問題がなくても、実際に指導を行うとなると迷ってしまい、なかなかうまくいかないケースはあるでしょう。
例えば、「基本的な用語やルールの説明」に時間を取られ、本来現場で教えるべき「実践的なコツ」にまで手が回らないという実態も少なくないのです。
また、OJTの負担が特定の社員に集中した場合、業務と両立しなければいけないプレッシャーから、OJT制度自体に不満を持つ恐れがあります。
現場と人事・経営層の考え方にギャップが生じている
事前に現場に相談せず、全て人事・経営層の考えだけでOJTを計画・目標設定・実施を進めることもOJTがうまくいかない原因になります。立場によって、OJTに対する認識や受け取り方が異なるためです。
例えば、育成対象者が人事・経営層視点の目的や計画を理解できないままOJTを進めてしまうと、人事・経営層と現場の間にギャップが生じる要因となります。
その結果、適切なOJTの進め方が分からず本来の目的とは異なる方向性の指導になってしまったり、トレーナーや育成対象者が不満を抱いたりする原因にもなることがあります。
従って、OJTを実施する際は、人事・経営層と現場双方が事前にヒアリングや議論を重ね、ギャップを解消しておくべきです。
OJTの相談窓口や責任者がはっきりしていない
OJTの相談窓口の有無や責任者が誰なのか分からない状態だと、現場でOJTに関して困っても適切に対処できず、失敗につながる可能性があります。
また、相談窓口や責任者が明確に決まっていないと、前述した教育の丸投げにもつながり、失敗する確率がさらに高まる恐れがあります。
教育に時間がかけられず知識が定着しない
OJTは、業務を通じてスキルや知識を習得するのが目的のため、覚えるまで繰り返し教育・実践することが重要になります。
しかし、OJTに十分な時間を割けない場合、説明が一度きりになってしまい、学んだ内容が定着しないまま業務に臨むことになりがちです。その結果、数日後には内容を忘れてしまうというケースも少なくありません。
知識が定着しない状態で実務を行うと、ミスが起きやすくなるだけでなく、教え直しが必要になり二度手間が発生してしまう場合もあります。
フィードバックやサポートの不足
OJTを実施していても、進捗確認やフィードバックが不足していると、育成対象者が不安を感じやすくなり、うまくいかなくなる要因となり得ます。
現在の業務の対応方法が合っているかどうか、改善点がどこにあるかが分からず、学習効果が低下してしまうためです。また、適切なフィードバックがないと、成長を実感できずモチベーションの低下にもつながりかねません。
加えて、育成対象者へのフォロー不足やコミュニケーション不足は、職場内で孤立感を抱くことにもつながります。
育成対象者が「放置されている」と感じてしまうと、OJTが失敗する原因にもなるでしょう。OJTの失敗だけでなく、早期離職(定着率の悪化)を招く恐れもあるため注意が必要です。
指導方法が「個人の経験」に依存している
担当者が「背中を見て盗め」「自分のときはこうだった」などの主観や成功体験に頼った指導をしている可能性もあります。
マニュアルや共通の指導基準がない場合、教える人によって言うことが変わり、指導の抜けや漏れが起きてしまうこともあるでしょう。
その結果、教育対象者が誰の言葉を信じれば良いのか分からず混乱し、標準的なスキルを身に付かなくなってしまうことがあります。
OJTがうまくいかないときにおさらいすべき基本5ステップ

OJTがうまくいかないときは、まず改めてOJTの基本ステップを見直し、実施できているか振り返ってみましょう。OJTの基本ステップである5段階を解説します。
1.知識の定着度を見る
まずは、部下や新入社員などのOJTの教育対象者が、業務の専門用語やマニュアルをどのくらい理解しているのか把握しましょう。
例えば、Monoxer(モノグサ)のような学習ツールを活用して定着度を見るテストを実施したり、面談などで質疑応答を行ったりするのがお勧めです。最初に何を理解していないのかを把握することで、何を指導すべきかがより具体的になります。
2.手本を見せる
次に、育成対象者のトレーナーが業務を実際にやって見せて、業務の全体像を把握してもらいます。OJTでは実際に手本を見せることで、より具体的な業務の進め方 のイメージを持ってもらいやすくなります。
3.説明する
業務内容の手本を見せたら、次にその業務の意味や目的を説明し、理解をより深めてもらいましょう。なぜこの業務が必要なのか、業務の前後の工程や実施する背景を理解してもらうことが重要です。
また、説明する際は、育成対象者が都度質問できる時間を作るのがお勧めです。手本と説明を経て、育成対象者が業務についてどの程度理解しているか確認しやすくなります。
4.実際にやらせてみる
説明が済んだら、育成対象者に実際に業務を体験してもらいましょう。自分の手を動かしてみることで、難しい工程や注意すべきポイントなどを自分自身で発見してもらいやすくなります。
なお、初めて体験させる場合は、トレーナーが横について見守るようにしてください。その上で、できる限り育成対象者に1人でやらせてみましょう。
5.評価する
最終ステップとして、実際に業務を実施させた結果を基に良かった点を評価し、改善すべきポイントなどを伝えましょう。
評価を伝える際は、どこが良かったのか・悪かったのか、どう改善すれば良いのかを具体的にまとめます。また、業務の成功・失敗にかかわらず、一緒により良い改善案や反省を考えるとよいでしょう。
OJTを成功させるために重視すべきポイント
ここからは、OJTを成功させるために心がけると良いポイントについて解説します。
会社全体でOJTに取り組む意識を持つ
OJTを実施する際は、現場だけでなく会社全体で取り組む意識を持つことが重要です。前述した通り、現場や一部の担当者に任せきりにしてしまうと、負担が大きくなるだけでなく適切な育成ができなくなる恐れがあります。
例えば、OJTの一部を複数の担当者で分担したり、育成対象者に対して社員全員が気を配ったりするよう心がけることが重要です。
担当者だけでなく社員全員で指導できる環境を作ることで、育成対象者自身も安心して学びやすくなるでしょう。
OJTの内容を見直し、標準的な育成内容を準備する
現在のOJTの内容を見直し、必要に応じて改善することも大切です。その際は、育成計画をしっかりと立て、継続して運用できる仕組みを作るように心がけましょう。
例えば、目的や目標、工程などをきちんと決めておき、どのような業務でどういう指導方法を用いるか細かく定めます。
人材育成マニュアルなども作成しておくと、育成内容を統一できるため、トレーナーによって指導内容が異なるといったケースを防げます。
マニュアルの作成はトレーナーやOJT担当者の負担軽減、教育にかかる時間やコストの削減にもつながります。
現場で教えることとツールで覚えることを切り分ける
全ての教育を対面で行う必要はありません。例えば、現場では「判断が必要な業務」や「コミュニケーション」に特化しつつ、基礎用語や業務手順の暗記は前項でも触れたMonoxerなどのITツールに任せるのがお勧めです。
業務の中で身に付けて欲しい内容と、暗記で習得できる内容の教え方を分けることで、より効率的に教育を進めることができるでしょう。また、業務に関する知識をあらかじめツールで覚えてもらうことで、教育にかかる時間を抑えられます。
OJTトレーナーは向いている人材から選ぶ
サンOJTの教育に適性がある人材の特徴は、主に以下が挙げられます。
- コミュニケーション能力が高い
- 教えることが好き
- 企業のビジョンや戦略を理解している
- 自分の経験を活かして指導できる
- 日常業務と並行して指導できる など
また、トレーナーを決める際は、現場経験の実績も考慮しましょう。経験豊富なトレーナーであれば具体的な指導ができるため、より実践的なスキルを身に付けやすくなります。
OJTトレーナーの育成やスキルアップを図る
OJTを成功させるには、育成対象者だけでなく担当者(OJTトレーナー)を育成する体制や環境を作ることもポイントとなります。
トレーナーを育成するには、指導者研修などを実施し、指導方法や評価の方法、指導計画の立て方などを教えます。前述したマニュアルの作成と並行して研修を実施することで、OJTに対する理解度や指導力の均一化を図れます。
OJTトレーナーの業務量を適切に調整する
OJTトレーナーは、通常業務と並行して教育を行うことが多いため、仕事の負荷が大きくなりがちです。加えて、トレーナーには業務に精通した社員が採用されることが多く、元々多くの業務を抱えている可能性が高いと考えられます。
これらを考慮し、OJTを実施する際はトレーナーの業務負荷が高くなり指導不足やフォロー不足に陥らないよう、責任者などが業務量を調整しましょう。教育中の業務量を適切に調整することで、よりしっかり育成が行えるようになります。
OJTに役立つツールの活用
OJTをより効率的・効果的に進めたい方には、ITツール「Monoxer」の活用がお勧めです。
Monoxerは、研修やOJT教育をはじめとした学習内容の「定着」を支援する学習プラットフォームです。覚えさせたい内容を登録しておくことで、教育対象者それぞれに最適な難易度と頻度で問題を自動出題できます。
管理画面から「誰が、どこまで覚えているか」も一目で把握できるため、フォローすべきポイントが明確になる点もメリットです。
Monoxerに研修内容を登録しておけば、新入社員が入社するタイミングを問わず、いつでも標準化された教育を提供可能です。定着度を数値で測定できるため、教育効果のPDCAも回すこともできます。
Monoxerについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
OJTがうまくいかないと感じるときは、現場や一部の社員に負担が偏っていないか、教育内容を反復する時間やフィードバックが不足していないかチェックしてみましょう。
人事・経営層がOJTの内容を決定している場合は、現場とのギャップが生じていないか、サポート環境の構築が不足していないかどうかも確認することが大切です。
OJTを成功させるには、基本のステップをおさらいするとともに、会社全体でOJTに取り組む意識を持つことが重要です。また、OJTトレーナーの育成やスキルアップ、OJTに役立つツールの活用を検討するのもよいでしょう。
OJTを成功させたい方、より効率的に進めたい方は、ITツール「Monoxer」の活用がお勧めです。学習プラットフォームのMonoxerを活用することで、身に付けるべき学習内容やスキルをしっかり定着させることが可能です。
詳細は以下のページからご確認ください。


