学校のDX化に先進的に取り組んできた春日井市の学校をはじめとした、7校が研究校として参加
記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」を提供するモノグサ株式会社(東京都千代田区、代表取締役:竹内 孝太朗、畔柳 圭佑、以下「モノグサ」)は、国立大学法人東京学芸大学(東京都小金井市、学長:國分 充、以下「東京学芸大学」)と提携し、GIGAスクール環境下における高次な資質・能力の育成実現に向けた実践について研究する「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」を発足します。「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」では愛知県春日井市の学校をはじめとした7校の研究校と共に、ICTツールを有効活用した公教育に広く普及可能な授業モデルを研究します。
「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」発足の背景と目的
2017年改訂の学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」が重視され、2021年の中教審答申が公表されて以降、児童・生徒の資質・能力の育成に向けた「個別最適な学び」と「協働的な学び」が重視されるようになり、探究学習の注目は益々高まっています。
学校現場では、GIGAスクール構想によって全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークが整備されました。各学校では急速に普及したICTツールを活用しながら、思考力、判断力、表現力などの高次な資質・能力の育成について試行錯誤を重ねています。しかし現状では、GIGAスクール環境下において、広く普及可能な高次な資質・能力の育成実現に向けた授業モデルは確立されていません。
そこでモノグサは、東京学芸大学と提携して「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」を設立し、愛知県春日井市をはじめとした7校と共に、横展開可能な授業モデルの構築に向けて実証します。
「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」概要
東京学芸大学・教授の高橋純先生は、高次な資質能力の育成に向けて必要な「反復・習得学習」と「主体的・対話的で深い学び」は、教員とICTツールが得意領域を棲み分けて実践すべきと主張しています。
具体的には、「反復・習得学習」はAIドリル等のICTツールに任せる方が向いており、「主体的・対話的で深い学び」はグループウェアのようなICTツールを活用を前提にして教員が授業設計をすべきと考えられています。
本研究会では、Monoxerを「反復・習得学習」に活用し、現場の先生方がそれぞれの学校現場に適した形で「主体的・対話的で深い学び」を提供することで、ICTツールの活用を通して、児童・生徒の「学習活動がどう変わるのか」と「教員の役割がどう変わるのか」について検証いたします。
本研究会で検証したい仮説
具体的には、学習前から探究までを6つの学習プロセスに分けて、検証を想定しています。
①学習前:前提知識が不足・忘却されている
授業を理解するために必要な知識が忘れられており、授業の理解のために前提知識の補充が必要な状態から学習活動が始まる児童・生徒が一定数存在しています。
②前提の獲得:前提知識の習得・想起が完了
既習範囲の復習を通じて授業理解のための前提知識を習得・想起した状態。この既習範囲の復習活動は、過去の学習データから反復学習を個別最適化できるMonoxerとの相性が良いです。ここではMonoxerを活用して、前提知識のBook(問題集)を学習することを想定しています。
③理解(わかる):新規知識の獲得と知識同士がリンクするきっかけの創出
新しい概念のインプットを通じて学習事項を基礎的に理解した状態。新しい知識を習得することと知識同士のつながりを理解することが同時に起きていますが、この段階では深い理解はできておらず主体的に知識を使うことや記憶を維持することは難しいです。この初回のインプットにおける最適な体験は児童・生徒によって個人差が大きく、機械を通じた一方通行の説明よりも人間による双方向のコミュニケーションの相性が良いと想定されるため、先生による履修主義的な授業を実施します。
④定着(できる):知識のネットワーク化
反復演習などを通じて、基礎的に理解した内容を繰り返し使う中で知識・技能を想起することやその維持が容易にできるようになった状態。この定着のための学習は反復学習を最適化できるMonoxerとの相性が良いです。ここではMonoxerを活用して、定着のBook(問題集)を学習することを想定しています。
⑤真の理解:ネットワークの深化・長期定着化
さらに多回数・多アプローチでの反復を通じて理解が深まり、知識の長期定着化が進んだ状態。単純反復の中で「できる」体験と様々な種類の問題に触れて同じ知識を様々なアプローチで使う体験を通じて、主体的にその知識・技能の使い方を考える準備ができると考えられます。多回数の反復はMonoxerとの相性が良いです。加えて、Monoxer外の学習体験の中で知識の使い方のアプローチを増やすことも効果的であると考えています。
⑥探究(使える):知識の構造化
特定の課題に対して自ら知識・技能の使い方を主体的に考え、使う経験や他者の使い方との違いを知ることで知識の構造化が進んだ状態。様々な課題に対して主体的に知識・技能を動員して、その解決を実現する資質・能力が身についた状態です。グループウェアを用いたPBLや体験型の学習との相性が良いと想定しています。
実施内容
・2023年9月より、参加校と共にGIGAスクール環境下における高次な資質・能力の育成実現に向けた授業設計を実証開始
・参加校は毎月、実践報告書を提出
・チャットツールを通じて各校の実践に対して「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」メンバーがフィードバック
・各校の実践事例と「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」メンバーにて一般化し、より多くの学校で実践可能な指導モデルを抽出する
研究会の体制
【主査】
・登本 洋子 先生(東京学芸大学 准教授)
【アドバイザー】
・高橋 純 先生(東京学芸大学 教授)
【研究会メンバー】
・村上 唯斗 先生(横浜国立大学 助教)
[参加校]
・春日井市立高森台中学校
・春日井市立南城中学校
・春日井市立藤山台小学校
・杉並区立松ノ木小学校
・富山市立芝園小学校
・横浜市立鴨居中学校
・西東京市立谷戸第二小学校
※参加校は今後も増える可能性があります
[事務局]
・モノグサ株式会社
「高次な資質・能力の育成モデル開発実践研究会」メンバーのコメント
登本 洋子 先生(東京学芸大学 准教授)
知識を単に覚えるだけの学習なんておもしろくありません。しかし、その知識を関連づけて自分のものにできてこそ、学習は深まります。だからこそ、誰しももっと効率よく覚えられたらと思います。でも三日坊主という言葉があるように、これまでは容易ではありませんでした。そんな記憶の定着を助けてくれるのがMonoxerです。本研究では、Monoxerを活用して知識を習得し、学習の質を高めるモデルを実践校の先生方と開発します。
高橋 純 先生(東京学芸大学 教授)
モノグサはアウトプットをしながら習得する新しいタイプの学習アプリです。アプリ活用を前提とした基礎基本から高次な資質・能力の育成までの総合的な指導法を検討したいと考えております。
水谷 年孝 先生(春日井市教育委員会 教育研究所 教育DX推進専門官)
1人1台端末とクラウドの活用で学びの姿は大きく変わり始めています。その中で、自分で獲得した知識を確実にするためにモノグサの活用が有効ではないかと考えています。子ども主体の学びをさらに進め、高次な資質・能力の育成するために、この研究実践を進めていきたいと考えています。
竹内 孝太朗(モノグサ株式会社 代表取締役CEO)
この度、東京学芸大学様と共同研究に取り組ませていただくという大変貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。
教室にいる全員に対して、前提となる知識の習得が保障された時、子どもたちの学び方や先生方の役割がどう変わるのか、という本研究会の研究テーマは、弊社の掲げる「記憶を日常に。」というミッションに込められた記憶が当たり前になったその先にある人類の可能性を広げたいという思いに直結するものになります。
私たちにとっても未知のテーマではありますが、東京学芸大学様や参加校の先生方と一緒により高次な資質・能力の育成につながる実証成果の獲得に努めてまいります。
「モノグサ株式会社」について
モノグサ株式会社は、記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」の開発・提供をしております。
Monoxerは、あらゆる知識を確実かつ最小限の負荷で身につけることができる “記憶のプラットフォーム”です。
ユーザーが英単語、漢字、歴史、数式など、記憶したい知識をインポートすると、Monoxerが記憶定着のために最適な問題を生成します。また、Monoxerはリアルタイムで一人ひとりの学習内容を解析し、知識の定着度合いを可視化。その情報をもとに、出題する問題の難易度・頻度を一人ひとりに合わせて自動で最適化します。
上記の通り、ユーザーはオリジナル教材を簡単に作成できることに加え、旺文社の『ターゲット1900』や学研の『ランク順シリーズ』など、Monoxer上で学習できるデジタル教材を購入して利用することも可能です。
【モノグサ株式会社】
本社 : 〒102-0072 千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル7階
設立 : 2016年8月10日
代表者: 代表取締役CEO 竹内 孝太朗、代表取締役CTO 畔柳 圭佑
事業内容: 記憶のプラットフォーム 「Monoxer」 の開発と運営
U R L: https://corp.monoxer.com/