医系学部合格へ特化した英単語暗記を「Monoxer(モノグサ)」で劇的に効率化/医系専門予備校メディカルラボ

最低でも1000時間の勉強が必要な医学部合格

メディカルラボ・尾木歩 本部教務副統括

 

最低でも1000時間、できれば5000時間――大学医学部に合格するために必要な勉強時間だと言われる。仮に5000時間とするならば、単純計算で1日4時間、休まず毎日勉強しても3年以上かかる。高校に入学したその日から勉強を開始しても、卒業(受験)には間に合わない計算だ。もちろん個人差があるし、長期休暇中にしっかり勉強量をこなすこともできるが、膨大な時間がかかることだけはまぎれもない事実だ。

 

個別指導の強みを生かし医学部合格者を多数輩出

 

必要な勉強時間という観点から言えば、特に手間なのが暗記である。全国に27校舎を展開し、2019年度も医学部合格者数No.1※の実績を誇る医系専門予備校『メディカルラボ』(株式会社キョーイク)で、英語の指導を担当する尾木歩 本部教務副統括は言う。
※2019年度 「医学部予備校ナビ」調べ

「英語、特に英単語は、暗記しないことには始まりません。一度理解すれば応用で演習をこなしていける理系科目と異なり、その都度新しいインプットが必要です。どうしても相応の時間がかかります。メディカルラボは講師と生徒1:1の個別指導が強みですが、それでも暗記は授業外の時間も含めた物理的な時間との勝負。いかに効率化するかが課題となっていました」。

 

立ちはだかる医系専門用語の壁と非効率性

加えて医系の英単語学習には、特有の課題もある。通常の大学受験に必要な英単語に加えて、医療系の専門用語もある程度覚えなければならない点だ。入試では、医学・自然科学系の論文からの長文読解が出題されるため、使われる英単語も論文特有の語彙が増える。

また、同じ英単語でも一般的な意味と、医療系の意味を両方とも覚える必要がある。例えば「treatment」という単語は、通常は「扱い」「待遇」と訳されるが、医療系の英文の文脈によっては「治療」を意味する。入試ではこれを必要に応じて正しく使い分けねばならない。尾木氏によると、このレベルに対応するには、一般的な受験英単語集に掲載されている語句を網羅した上で、さらに医系専門英単語集の暗記を積み重ねる必要があると言う。

一方で通常の英単語集と、医系英単語集で出てくる語句の「ダブり」も発生するからやっかいだ。事実上、専門英単語のうち、ほぼ半数は通常の英単語集でもカバーできる単語だそうだ。逆に、市販の医系英単語集にピックアップされていなくても、できれば押さえておきたい単語だってある。結果として、網羅性を確保するためには、ダブっていても、通常の英単語集、医系英単語集、その他の教材をそれぞれ完遂しなければならない、という極めて効率の悪い暗記作業が発生していた。

尾木氏は「既存の医系英単語集が悪いのではありませんが、そこまで配慮したものはほとんどありませんでした。しかし本校は、医系専門として強みをもつ予備校です。ならば、もっと医系に特化したメディカルラボらしい、独自の効率的な英単語集を作れないかと考えるようになりました」と、当時の課題を振り返る。

 

記憶定着用学習アプリ『Monoxer(モノグサ)』の導入

『Monoxer』(モノグサ株式会社)は、簡単な操作でオリジナル教材が作成(作問)できる記憶定着用学習アプリだ。例えば英単語であれば、単語と日本語訳を入力するだけで、日本語訳、英語訳などさまざまに出題方式を変えて出題される。生徒は、それぞれ自分のスマホやタブレットで課題に取り組む。

しかしそれだけなら、これまで定番だった単語カードが、デジタル化されただけのイメージかもしれない。その点、『Monoxer』はAIが、入力された情報を元に、選択式だけでなく記述式の問題も、自動で作成・出題するのが特長だ。単語カード学習で陥りがちな「反復することで、暗記がルーチンの流れ作業になり、長期記憶として定着しない(単語カードの時だけ正答できる)」という問題点もクリアできる。

そこでメディカルラボが導入したのが、この『Monoxer』だった。まず、国内に31あるすべての私立大学医学部の過去8年分、同じく国内に51あるすべての国公立大学医学部の過去3年分の英語入試問題を分析し、コンピュータで6000の頻出英単語を抽出。さらに同校の経験豊かな英語プロ講師らが、そこから上記のダブりなども加味して厳選し、医系学部合格に特化した英単語暗記教材として完成させた。

 

さまざまな出題方式でAIが問題を自動生成

 

「見える化」で無駄を徹底排除、効率的に学習

『Monoxer』がメディカルラボを喜ばせたのは、この学習アプリが単に問題を自動生成するだけでなく、生徒の学習進捗や記憶の定着度合いを「見える化」できることだった。同社FC企画室課長・上良美帆氏はこう明かす。「本校では、講師以外の校舎(運営)スタッフは授業を受け持ちません。そのぶん、学習進度の確認やフォローをする際にも、可視化された客観指標やデータがなければ、具体的なアドバイスを提供しにくいこともありました」。

 

メディカルラボ・上良美帆FC企画室課長

 

例えば英単語の学習に取り組んだかどうか確認すると、ほとんどの生徒が「やっています」と答える。しかし小テストなどの結果を見ると、なぜか芳しくない。もちろん、生徒は嘘をついているわけではない。「何を、どのように、どのくらい」やれば良いのかが分からない、あるいはズレているのだ。重点的に覚えるべき単語や分野の勉強が足りなかったり、逆にもう十分に記憶が定着している内容をいつまでも反復していたりする。

 

学習内容を分析し、記憶の定着度を可視化

 

しかしスタッフも、それが「見える化」されたデータでなければ、「もっとがんばろう」というような具体的な改善点を欠いた抽象的なアドバイスしかできなかった。そして、先述したような非効率的な暗記を黙々と繰り返し、「がんばっているのに結果が出ない」「指示しているのに結果が出ない」と互いにストレスをため込んでしまっていた。

『Monoxer』では正答・誤答の結果から、AIが生徒一人ひとりの「記憶のクセ」を分析し、頻度や出題形式などをコントロールしている。学習計画を設定すれば、そこから逆算してその期間内で習得できるように出題することも可能だ。また、進捗をグラフや数値で具体的に表示することもできる。これによってスタッフは「キミはここが不十分だから、こうしよう」と具体的な指示が出せるので、生徒も納得するのだ。

『Monoxer』の効果測定はこれからもっと深める必要があるが、確かな手ごたえも感じているという尾木・上良両氏。今後は英語のディクテーションや、通常の理工系学部では出題されないハイレベルな医系学部特有の生物の入試対策にも応用できたら、とビジョンを語る。

 

ICT教育ニュースより転載  https://ict-enews.net/2020/03/30monoxer/