セミナーレポート

2/26 「教育現場で本当に使えるICTツール活用術」セミナーレポート

こんにちは!Monoxerの小塚です。2月26日(金)にwebセミナー『教育現場で本当に使えるICTツール活用術』を開催しました!

本セミナーでは、西村創様に講師としてご登壇いただき、これからの教育分野におけるICTと人との付き合い方を、実績と活用事例を交えつつたっぷりとお話しいただきました。参加できなかった皆様に向けて、本セミナーの模様をお伝えします!

 

イベントの流れ

12:00 オープニング(本会の趣旨説明、Monoxerの紹介)

12:10 西村創様 ご登壇

12:55 Q&A

 

講演の趣旨

本会では、河合塾Wingsにて生徒指導とICT担当を兼任された西村創様に、教育現場で本当に使えるICTツールとその使い方について、実績を基にお話しいただきました。

西村様は『子どもを勉強好きにする20の方法』(WAVE出版、2012)をはじめとした子どもの教育に関する様々な書籍の著者でもあり、ICTツールを用いながら生徒のモチベーションを引き出す方法についても併せてご講演いただきました。

 

Monoxerについて

私たちモノグサ株式会社は『記憶を日常に』、学校様や学習塾様に学習ツール「Monoxer」を提供し、生徒様の成績向上をサポートしています。

成績向上のためには、理解・定着・活用の三要素が必要であり、中でも鍵を握るのが定着、すなわち学習した内容をきちんと記憶することです。重要である一方、意識的に何かを記憶することは「苦しいこと」だと捉えられがですが、記憶すること自体が苦しいのではなく、「何を覚えているのか」「何を忘れたのか」「どのように覚えるか」の管理が苦しいのだとモノグサは考えます。

解いて憶える記憶アプリ「Monoxer」は、そうした記憶の管理のお手伝いをすることで、生徒様の学習をサポートするツールです。正解を登録すると、それをもとにAIが問題を自動的に生成、生徒様の習熟度や忘却度に応じて繰り返し出題、学習状況と定着度を可視化することができます。様々な回答方法に対応しており、教科に渡ってご使用いただけます。加えて、指導者と生徒間のコミュニケーション機能も充実しており、学習のアフターフォローまで一括で行えることも大きなメリットです。

 

詳細はぜひこちらをご覧ください!

 

 「受験指導専門家」西村創様 ご紹介

西村様は大学一年生の頃から塾講師のアルバイトを始め、その後早稲田アカデミー、駿台シンガポール校・香港校、河合塾で社員教師や教室長など様々な形で活躍されてきました。取材記事やテレビにも多数出演し、受験指導の専門家として多くの著書も出版されています。(Twitter @Nishimura84x

現在はフリーで活動されており、AOや推薦入試に関する講演活動を多数行われています。今回は約11年間勤められた河合塾でのICT担当としての経験を基に、学習現場で本当に使えるICTの活用術についてお話しいただきました。

 

ICTツールとヒトとのすみわけの考え方

 勉強を好きになってもらうことこそ、ヒトの出番

 ICTツールが当たり前になった時代で、ヒト(講師)の役割とはいったい何でしょうか?

勉強を好きになってもらうことは、

①教わりたい、という気持ちにさせること
②できるだけ教えず、気づかせること

とも言い換えられます。

 

そしてそのために必要なのが、生徒の感情を洞察すること。こちらの話にどれくらい関心を持っているか、答えに気づくまでどれくらい思考が進んでいるか、しっかり見届けることは不可欠です。

こうした洞察による最適なアプローチの提案こそ、講師の一番の仕事とも言えます。どれくらい生徒の関心具合に合わせた話をするか、生徒が気づくための材料を与えるか、その生徒の学年や特徴から状況判断をして、一人一人に寄り添った指導アプローチをするのはヒトの得意分野です。

 

効率的に、目に見えるように!ICTの活躍

成績向上に欠かせないのが、反復学習をとにかく効率よく行うこと。間違う、何がいけなかったのか理解する、またやってみる、という繰り返しを通して学習は身についていきます。これを得意とするのがICTツールです。

①できたできないを視覚化、客観把握

何度も間違わないように繰り返し説明しても、なぜかテストには反映されない…

→バイアスをかけない、「できるはずだ」をなくす事ができる!客観性

②できなかったところの確認頻度をあげる

「できない」を「できる」にするには、繰り返すしかありません。躓いた箇所の確認頻度をあげることで、生徒の成績向上をサポートできます。

③できるようになったことの推移を可視化

着目するべきは、できないことだけではありません。自然とできるようになったことも、しっかりとデータで見えるようにすることで生徒のモチベーション、実感の向上が見込めます

 

このように、そもそもICTと人では得意分野が異なります。新単元の学習内容インプットは、人の得意とすることです。初めて触れる内容をいかにわかりやすく教えるかについては、機械よりも明らかに優れていると言えます。

一方、既習内容の問題演習アウトプットについては機械の方が得意です。「わかる」と「できる」は別物と言いますが、言うなれば「わかる」は人間が、「できる」は機械が得意としているイメージです。

 

教育現場における導入で障壁となるポイントと解決方法

 

教育現場とICTの現状

 アプリやタブレットの導入が盛んに行われる現代。「また面倒くさそうなツールが…」という現場の雰囲気を感じていらっしゃる方もいるかと思います。では、教育現場での機械導入で障壁になるポイントとは具体的に何でしょうか?

①講師のITリテラシー、ツールへの敬遠スタンス

わからないものを批判対象にしがちなのは人間の性です。中でも関心のあるないに差がある教育の現場では、その傾向は顕著です。

②講師の多忙さ

講師が機械に慣れる、生徒に向けた使い方の周知徹底、それに伴う保護者への説明や資料作りなどなど、機械導入にはたくさんの時間がかかります。

教育現場では全てがリアルタイムに進行し、皆様多忙に働かれています。そうした時間が惜しい、そこに時間をかけるくらいなら生徒指導に…というのが正直なところではないでしょうか。

③すでに導入しているツールがある

多くの学校や学習塾で、既にICTツールは導入され始めています。日々新しいツールが紹介されますが、もう既に運用を始めたものと大差ないならば手間をかけてまで取り入れる気にはなれません。

しかし、こうして既存ツールの評価をまだ使ったことのないツールに当てはめて一般化してしまうことで、もっと学習環境を向上させるチャンスを手放してしまうことが往々にして起こるのです。

では、こうした現場での戸惑いをどのように打破すれば良いのでしょうか?

導入の壁を打ち破る、4つの解決方法

①決裁者が決断

新しいツールの導入は、先延ばしにすると時間だけ過ぎていってしまいます。そんな時こそ、トップの強い決断が大切です!

塾の商圏は通学県内1.5kmが限界とされており、加えてコロナ禍の影響で現在多くの塾はその営業チャンスが縮小傾向にあります。その一方で、コロナの中急成長している業界もあるのも事実。その違いは、オンライン完結のビジネスを持っているかどうかです。

塾業界の中でももう明暗が分かれ始めており、もはや老舗かどうかが論点ではなくなっているのです。こんな時だからこそ、決裁者がはっきりと方針を指し示すことが重要になります。

②ITリテラシーが比較的高い人に任命

必ずしも、自分自身がICTツールに関して詳しくならなければいけないわけではありません。たとえば、ICTに関しては社歴の浅い新入社員や受付のアルバイトなどITに比較的明るい人に任せ、詳しくなったそのICT担当に教えてもらう、というやり方もあります。

自分で説明書を読むよりも、そうした教え上手な人たちからの情報の方がはるかにわかりやすいものです。また、そうして役割分担をすることで、それがやりがいにもなっていく効果もあります!

③デジタルネイティブのIT学習スピードを信じる

今の生徒たちは、生まれた瞬間からデジタルデバイスに囲まれている世代。私たちが思う以上に扱いに慣れるのが早く、教えられる側になるのはあっという間です。講師たちでは思いつかない活用方法を、生徒自身が編み出して友達と共有する、というプラスの影響がICTツールには秘められています。

④ツールの複数活用いいとこどり

全てに対して万能なツールはありません。だからこそ、それぞれの得意分野や使用目的をきちんと理解し、組み合わせて相乗効果を狙うことが鍵になります

教育現場の課題ごとの解決を図るICTツールの紹介

一口にICTといっても、大きく三つに分類できます。今回はそれぞれの種類の特徴と具体例を紹介します!

①動画授業系

わかりやすいイメージとしてはYouTubeなど、その名の通り授業を動画で受けることのできるコンテンツです。時間場所を選ばず好きな単元を学習することができ、対面での授業の代わりも果たせます。なので、普通の塾にとっては「競合」となり、導入は難しいと感じる塾も多いのではないでしょうか。時間と場所を選ばないというメリットの反面、「聞き逃してもまた戻れば良い」「止めてメモすればいいか」とある意味緊張感は失われるのが難点です。

動画授業系はさらに「自社開発系」「YouTube系」の二つに分類することができます。以下、それぞれの魅力を具体例をもとに簡単にご紹介します。

自社開発系

 NHK for school:小中学生向けにさまざまな科目の動画を配信しているNHKのサイト。学校の授業内でも資料として利用されているケースもある、ハイクオリティのコンテンツ。無料で閲覧できるのも魅力

スタディサプリアオイゼミ:ご存知の方も多いであろう、大手動画授業サイト

学びエイド:全単元五分で完結するように構成された動画サイト。隙間時間で集中して学習できるのが特徴

YouTube系

「とある男が授業してみた」:中学生・高校生向けの、理系科目と英語を中心としたYouTubeチャンネル

「ただよび」:高校生向けに、予備校講師が無料で動画配信授業をするチャンネル

②学習支援ツール系

冒頭で紹介したMonoxerをはじめ、アウトプットの効率化や学習状況の客観把握、共有を行うツールです。他には「Meta Moji Note Lite」など、ノートテーキングをiPadなどで共用することでとても効果的な学習が見込めるメモアプリもあります。

③現場管理ツール系

生徒に対して使用するためだけに特化したツールではありませんが、現場においての効率をあげるのに役立つICTツールも多々あります。

Comiru:学習塾のタスクに特化したデジタルアプリで、生徒管理、保護者コミュニケーションなどができます。

スマートHR:従来紙面で行われていた労務管理を、デジタルで一括管理する経理系のツールです。

Slack:社内コミュニケーションツールで、昨今さまざまな企業で導入されています。主にはチャットとして使用するツールですが、グループ分けやスタンプなどによる気軽なリアクションなどが可能で、メールに変わる新たな手段として注目されています。10000件以上のメッセージを保存でき、おほとんど無料で使用できます。

Trello:タスク管理をメインにしたツールで、さまざまな業務の進行度の一元管理が可能です。

カオナビ:生徒の情報をカルテのように、学年と顔などのデータをクラウド上で一元管理するツールです。新しく配属された、などさまざまな教育現場のシーンで活用できます。

キッズセキュリティ:生徒の交通ICで登下校情報の送信を行います。加えて、管理者から保護者への一括送信メールも可能なので、事務的な連絡にも使用できる点で大変便利です。

Monoxer導入の実体験

このように数あるICTツールの中で、河合塾Wings時代に西村様がどのようにMonoxerを活用されていたのか、その体験談を以下お話しいただきました。

河合塾wingsは難関都立高校合格を目指す生徒のための学習塾です。導入の目的は、成績を上げて合格実績を高め、生徒数を増やすことにありました。その上で課題となっていたのが、口コミ醸成成績不振生徒のフォロー効率化です。これは多くの塾が悩まれている箇所でもあるのではないかと思います。

そもそも、口コミで塾にやってくる生徒の多くは、紹介者の生徒に憧れてやってきます。「この塾に行けば、自分もあの子のようになれるかもしれない」というのが基本にあるわけですから、当然成績はその紹介者とほぼ同じ、もしくは少し低くなるのが普通です。

成績がふるわない生徒のフォローアップも当然塾の使命ですが、それには時間と手間がかかるのも事実。例えば、テストで一定程度の成績に達しなかった生徒を対象に補習を開くとします。

それぞれの生徒の過去のテストや間違え方を確認し、必要な教材を選んで印刷し、補習で渡したプリントをその場で採点、同時進行で次の問題を探して印刷…などなど、ただでさえ多忙な塾講師にとって、かなり工数の多い作業が必要になります。

結果、成績上位生のためのプラスアルファの指導時間が圧迫されてしまうことも。しかしそれでは公平ではありませんし、合格実績をあげようという目標からは遠ざかってしまいます。このような問題の解決に、Monoxerが活躍しました。 

 

先程の補習の例をとってみましょう。Monoxerを導入したことで、補習の形態は大きく変わりました。

まず、補習の会場には社歴の浅い講師を一人配置し、生徒はリースされた端末でMonoxerを使って苦手単元を進めます。Monoxerが生徒の苦手単元を既に分析しその場で質問を作っていくので、従来のように講師がプリントを作って配布して、という工程はありません。

では講師は何をしているかというと、見回りをしつつ、モチベーション上げの声かけを行います。その間、ベテラン講師は上位生の学力をさらに上げることに注力し、ただ知識をつけるだけではなく思考力を鍛えるような問いを生徒たちに指導することが可能になりました。

結果、他塾と圧倒的な差をつける合格実績に繋がったのです!

さまざまあるツールの中で、なぜMonoxerだったのか?

一つは、その汎用性の高さです。無限に問題を作ったり、問題を作成する対象をカスタマイズできるMonoxerの特性が、現場での効率アップと負荷軽減を実現しました。加えて、生徒の記憶状況の可視化ができることも大きなメリットです。

この情報は講師などの塾側だけでなく、Monoxerの管理画面から保護者の方も閲覧できます。そのため、ご家庭への進捗報告を毎回送る必要はなく、保護者の方も好きな時にリアルタイムでデータとして生徒の成長を見られるのです。子供の成長が実感できないことは、退塾要因にもなりえます。何ができるようになったのかを丁寧に伝えることは、生徒・保護者両方のモチベーション維持にとっても不可欠です! 

他にもいくつか具体的な活用事例をご紹介します。

Monoxerをやりに塾にきた時にはシールを貼る

塾の入り口に模試などの成績優秀者の名前を掲示する、というのは塾で多くみられる取り組みです。導入したのは、同じようにMonoxerをやりにきたらシールを貼る紙を掲示する、という方法。成績掲示では名前が乗らなくても、自身が努力してきたことを目に見える形で掲示していくことで自己肯定感を高め、自分の努力の一つの指標になったようです。

アルバイトの仕事として活用

塾で雇用している学生アルバイトに仕事を振る、というのも現場では必要なタスクです。一方で、アルバイトふができる範囲で常に何か仕事を与え続けるのも難しいのが現状です。Monoxerの導入によって、教材をMonoxerに流し込む単純作業が発生し、それをアルバイトの方に仕事としてコンスタントに提供できるようになったのも一つのメリット でした。

最後に

今回の講演のポイントは以下の2つです!

  1. ヒトとICTの得意分野を活かして住み分けをする
  2. ICTツールの得意分野を組み合わせて、用途に合わせて使い分ける

 

当日ご参加くださった皆様、また、本レポートを最後までお読みくださった皆様、誠にありがとうございました!今後も、生徒の皆様の成績向上とご指導環境のアップデートに貢献できるイベントを開催できればと考えております。Monoxerに興味が湧いた! もっと知りたい! という方は、是非資料請求や無料トライアルのお問い合わせをいただけますと幸いです。

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