セミナーレポート

8/27「学校×塾 特別対談! ICT教育時代における成績向上」セミナーレポート

こんにちは!Monoxerの南野です。

普段、なかなか目にすることのできない学校と塾の赤裸々対談!今回は、武蔵野大学中学校・高等学校主事の野澤清秀先生と湘南ゼミナール高等部責任者の山田勉先生にご登壇いただき、「ICT教育時代における成績向上」について、ご意見を伺いました。

現在、多くの学校や塾で導入されているMonoxer。同じ教育業界でも、学校と塾では指導法や運営目的は異なります。それぞれの教育現場では、成績向上のためにどのようにICT活用が展開されているのでしょうか。目的に合わせたデジタルとアナログの融合について、現場の声をお届けします。

※モノグサ株式会社は「記憶を日常に」を掲げ、解くことによって記憶を定着させるアプリMonoxer(モノグサ)を提供しています。詳しくはサービス詳細をご覧ください。

 

パネリストのご紹介

竹内孝太朗(モノグサ株式会社 CEO)

野澤清秀先生(武蔵野大学中学校・高等学校 主事)

<武蔵野大学中学校・高等学校>

「『世界』に貢献できる勇者を育てる」というビジョンを掲げ、自分にある価値、そして他人の価値を受け入れ、周りを巻き込みながらチームとして問題解決に臨める人を育てている。生徒自身が夢や憧れなどの「ワクワク」を育てながら、目の前のことに「コツコツ」と取り組む姿勢を大切にし、リベラルアーツの授業や知識の定着を目的としたICT教材を積極的に導入。

山田勉先生(湘南ゼミナール高等部責任者)

<湘南ゼミナール>

湘南ゼミナールは「ひとに学び ひとを育み ひとにかえそう」の理念のもと、9都府県269教室を展開。小中部と高等部に分かれ、高校受験や大学受験に向けた指導を行っている。高等部では通常のライブ授業の他、総合型選抜(旧AO入試)に特化した授業も展開。また、湘南ゼミナール全体として「QE授業」と題し、講義だけではなく生徒に問いかけることで、生徒自らが気づきを得られる環境で指導を行っている。より定着度を高めるための授業形態が特徴だ。

 

トークテーマ

活用しているICT教材とその活用方法

武蔵野中高では、この数年でさまざまなICT教材を試してきたそうです。Monoxerはもちろん、Classiやスタディサプリなども検討し、数学ではatama +も導入しているとのこと。

 

野澤先生:どれだけアダプティブにできるかが大事だと思っています。ICTやAI教材の特徴は、子どもたち一人ひとりに合ったものを提供できるところです。そこにフォーカスされているものが良いですよね。また、武蔵野中高では既に完成されているものにあまり興味を持ちません。業者さんと一緒にサービスを作っていけるものに魅力を感じています。

竹内:アダプティブというと、生徒様の学力にバラつきがあるのでしょうか?

野澤先生:高校は3コース、中学校は1コースあり、成績には差があります。私が担当する英語は、帰国生入試も行っているため、入学した段階で既にハイレベルな英語力を持つ生徒もいます。そういった子たちを学校教育のなかでどうフィットさせていくかは大きな課題ですよね。

 

一方で、塾では生徒の目的により授業形態(個別/集団)が決まり、目指す入試によって扱う問答とコースが異なります。1つのコース内では比較的、生徒の学力は近くなる傾向にあるそうです。

 

山田先生:湘南ゼミナールはチャレンジングな精神があると思っています。かつてFLENS株式会社で算数特訓をICT化していました。そのあたりから塾全体としてICTには抵抗ない雰囲気があったと思います。現在に至るまでに導入してきたICT教材には、かなり変遷がありましたが、一貫しているのは「成績を上げたい」という思いです。

竹内:チャレンジングなときに成功したもの、失敗したものがあるかと思います。試していくなかでのフィットするかどうかはどのように判断されていましたか?

山田先生:そこは生徒さんの学力向上における寛容度、器用度だと思います。

野澤先生:ICT教材を使うより、自分でどうしても教えたい先生もいるんですよね。ただ、面白かったのが...以前あるアプリケーションを導入した際、授業が大好きな先生が最初は反対していたものの、数回使っていくうちに「これいいね」と言い出したんです。授業では数人の生徒の顔しか見えていなかったが、ICT教材で回すことによって多くの生徒の困っている部分が見えてきたそうです。つまずいている箇所がわかり、生授業よりも声をかけやすくなった、と。こういうポジティブな声も上がっています。

 

成績向上に関して学校が大切にしていること/塾が大切にしていること

今回のテーマである「成績向上」は結果に現れるべき部分です。塾はそれこそが存在意義でしょう。それに対し学校は、新たなチャレンジやその瞬間ではどう評価されるかもわからないものも含めて教育として扱っていきます。武蔵野中高が特に気をつけているのは「なんでそれを学ぶのか」を明確にすること。こうした勉強の目的設定と成績向上のバランスをどのようにとっているのでしょうか。

 

野澤先生:作業ができても目的がわからないと、大人になったときに使えない知識になってしまうじゃないですか。我々としては、大学受験で燃え尽きて大学合格後に全然勉強しない、成長しない子には絶対になってほしくないんです。学び続けるための原動力はパーパスにあると思っています。ICT教材を使わないときにはパーパスに気づけるような活動やリベラルアーツなどの授業を行っているんです。湘南ゼミナールさんで行われているQE授業がものすごく良いと思っていて。まさにあれですよね。問いを投げかけるなかで、その真理に辿り着くということを授業で実践しています。その補完としてICT教材は便利です。そこで練習量などを担保できれば成績向上につながると、仮説を立ててやっています。

竹内:大変本質的なお話だと思いました。

 

一方で、生徒の知的成長にかけているパワーの比率が高い塾。湘南ゼミナールでは生徒に「寄り添う」ことを心がけています。

 

山田先生:高等部の授業後に「エクストラタイム」と名付けた時間を設けて、定着まで見届けます。例えば、授業内でやった小テストの間違えたところを理解して帰る。もちろん、質問対応もします。そこまでを含めて一つの授業だと考えています。難関高を狙う生徒は、わかるだけではなく「?」を引きずる授業も大事だと思っています。抽象化してそのエッセンスを学びとる授業ですね。

竹内:なるほど。基礎的な定着は塾様でも当然必要とされつつも、子供たちにはそれぞれ塾に行く明確な目的がある気がします。ただ、そこに対しての問答や簡単に答えを与えないことがむしろ生徒の成績を上げる。先生の「最高の俺の授業を見てくれ!」という時間だけではなく、生徒自身が反芻する時間も大事なんですね。

 

成績向上に向けて、ICT教材で効率化できる部分、アナログが良い部分

山田先生:正解を出せば良い時代から最適解や納得解を出さなければいけない時代に変わってきていると思います。そこで記憶を定着させるのはやはり重要で、ICT教材に頼ります。一方で、難問に対して構想を練ったり発想や思考を深める場合はアナログが良いと思います。

野澤先生:あるアプリケーションを導入した際、担当する先生の人数も多めに、マンパワーをかけて生徒に目的や使い方を丁寧に教えてあげたんですね。その分、生徒のモチベーションを保てたと思います。アプリケーションの効果もあり、かなり成績が伸びました。その翌年でコロナ禍に入り、4月当初からオンライン授業に陥りました。アプリケーションを使うことは決まっていましたが、なかなか対面で説明する機会を得られませんでした。成績が上がらなかったわけではないのですが、前年度の上がり幅と比べるとやはり落ちるな、と。現場での声がけや使う目的を共有してあげることは、人間が生でいてこそできるものだと感じました。

竹内:生徒は学校や塾の先生のことを本当に心の底から信頼していて、先生の言うことが正解、そうすることが良いことなんだと信じていると思います。

 

ここで話題は生徒への声がけに。

 

野澤先生:特に塾だと個別指導が主流になっていますよね。どのようにしていらっしゃいますか?

山田先生:意欲喚起は...共感ですかね。例えば「宿題を忘れてしまうと受からないよ」ではなく「宿題をやれば合格できるよ」と、圧倒的にポジティブな声かけをしっかりしていく。もちろん、ネガティブさも必要なときはあると思いますが、なるべく自分の意思でやるようにしていった方が定着もするし、今後に活きると思います。AIに代替される職業に教師も入っています。ですが、唯一生き残る教師像として「意欲喚起できること」という研究もあるらしいんですね。人に着火できるような先生の集団でありたいと思います。

竹内:これ、うちのエンジニア陣にも見せたいな。やはり意欲喚起こそ先生であり、アナログなのはとても腑に落ちます。

 

Monoxerを導入したきっかけと活用方法

野澤先生はもともと数学の授業にICT教材を導入。そろそろ英語も着手しようという思いがありました。

 

野澤先生:いくつかのアプリケーションを試しましたがしっくりくるものがなく...。「単語の勉強をしてね」と言っても生徒の自助努力に任せてしまう部分が大きいですよね。どれだけ覚えたかは顔を見ただけでは分かりませんし、単語集を汚さで覚えているかの区別はつきません。どうしようかと思っていたときに、記憶をAIで管理し、見える化してくれるMonoxerに出会い、価値を感じました。

 

山田先生にとってのMonoxerの最大の価値は先生の代替ではなく、先生をサポートするところにあるそうです。

 

山田先生:記憶の定着をMonoxerに移管することで、先生は他のことに着手できます。これは生徒にも全く同じ構造があると思っていて...高校生はすごく忙しいんですよね。でも、多感なこの時期に友達と語らったり、音楽を聴いたり、詩や小説を読んだり、部活ももちろん、そういう時間も持って欲しいと思います。先生も、雑談はあまり塾では良いとはされませが、いろいろな思いを持って教えているので勉強の意義などを伝えて合ってほしいです。Monoxerによって余暇を生み出すことが、根幹の部分でビビッときました。

野澤先生:おっしゃる通りですよね。テストを作って、自動採点してくれる機能を使っていますがスムーズにできます。データの管理も一発で、テストを作る手間もなければ採点する手間もなくなりました。その空いた時間で次の授業でやることや生徒がどこまで理解できるのかを考えることに時間を費やせるのはICTのメリットだと思いますね。

山田先生:守破離の守は軽やかにやって、その分高く飛ぼうよっていう。そこがツールになりうるのがMonoxerの最大の長所で、きっとそこを狙っていらっしゃると思います。社会的にもとても良いものだと思います。

 

Monoxerを活用している生徒の反応

野澤先生:好評をいただいていますよ!「Monoxer以外やることないんか」っていうくらいハマる子もいて。英語のみで試験的に導入していましたが、ハマった生徒からは「古文もできないんですか」という声があり、実は今、古文も単語をインポートして使っています。

山田先生:我々も全く同じです。全体としてはまだまだ課題はあるのが率直なところですが、ハマる子はものすごいです。「Bookの配信まだなの」って。そこを平たく、高くしていくことが我々の課題だと意識しています。

 

成績向上に関して学校と塾がより連携できること、思っていること

野澤先生:塾と学校の関係として、中身をあまりシェアしていないと思っています。例えば、「うちに生徒送ってくださいね」とか「うちの生徒よろしくね」などのやりとりはありますが、教育の中身について、アプリをどう使っているかなどの情報交換などをする機会は本当にありません。我々からしたら、塾さんはその辺のプロフェッショナルだと思うので、事例の共有などを通してどのように学校で応用できるかをぜひ、盗ませていただきたいと思っております。

山田先生:僕たち塾は生徒の一部分しか見えていないと思います。生徒の背景などはきっと学校の方が詳しいですから、そういったことを教えて欲しいです。今後、学習の進度や課外活動の記録をウェブで繋げて、その生徒に関わる大人がクリアにアクセスできるシステムがあると良いですね。「この子はこの単元ができたね」みたいな。それがそのまま入試の資料になるならもっともっと共存していけるのかな、と。そういった意味でMonoxerの記憶度は個人のアカウントで管理できますよね。

竹内:ありがとうございます!まさに生徒様の個人情報を保護した状態でいかに関係者にスムーズに共有できるかがとても重要だと思っていて。「学校で習ったのにまたやるの!」って誰も幸せにならないですよね。記憶限定ではあるんですが、一人の生徒が学校や塾でどの組織に入っているかを登録、そして、片方で学習した内容の記憶度合い限定で双方に共有される仕組みをすでに実装済です。今後、できるかぎり一人の生徒がどんな記憶状態にいて、それに対して自分たちが何をやるんだという点で連携の幅になっていければと思いますね。

Q&A

Q. ICT教材を導入する際、組織内でのデジタルディバイドをどのように乗り越えましたか?

山田先生:「意義を語る」ですかね。あとは「まず、やってみよう」と。大人がチャレンジしないと子供はチャレンジしない...精神論のようですけど、そこは情熱を持っていくというところだと思います!

竹内:先ほど、野澤先生がある先生の態度が変わったことをお話しされていましたが何か意識されたことはありますか?

野澤先生:やはり、やってみようということが大事なんですよね。よくあるのが「このICT教材を入れたら絶対うまくいく」と思ってしまう人がよくいるんですが、それは違っていて。別にICT教材が成績を上げるわけではなく、それをどう使うかが一番大事じゃないですか。「どう使うか」の部分をみんなで考えて作っていこうというのは、よくうちの学校でも行っています。うちのテーマが「チャレンジ ほなやってみなはれ」なので、失敗しても良いから自分たちなりにどう使うかを相談して作って、一緒に盛り上げてチームで動いているというところは大きいですかね。

 

Q. 複数のICT教材を導入すると当然コストはかさみますが、生徒負担か学校負担どちらなのでしょうか?また、今後ICT教育が浸透すればするほど、「経済格差=教育格差」の構図を助長するようになるのではないでしょうか?

竹内:営利企業と学校法人での違いがあると思いますが、いかがでしょうか。

野澤先生:もちろん、このご質問の通りだなと思うんですけれども、ICT教材を入れることで効率化できるものもたくさんあるんですね。そうなると、もちろん入れることで費用はかさむことになりますが、手間が省けるのでそこのコストが減るので帳尻は合うと思っています。何でもかんでもやれば良いというわけではないですから、成果や効果を見極めながら導入することが大事だと思います。また、「何かを入れるのであれば、何かを捨てる」。ここも一緒に考えていくことが大事ですので、入れたことによって何を減らせるのかということを考えていくべきだと思います。

山田先生:全く同じで。導入する際は実験的要素は否めないので、なるべく安く提供させていただきたいというのはあります。軌道に乗ってきたら教材の一部をカットするなど、安く品質の高いものを提供していく、という。教育費も高騰してきていると思うので、業界全体で取り組んでいくべきだと意識しています。

 

Q. ICT教材を使うなかで、アナログを超えたと感じる事象はありますか?

野澤先生:この夏休みにうちの学校で実験的に始めた「ICT自習マラソン」というのがあります。ICT教材の良いところは、先生がその場にいなくてもその子に合わせた課題を与えてくれるというところです。iPad1 台、PC1台置いてあればガリガリ自習できるんですね。まるでそこに人がいて、何かを提供してくれるかのようにできるのが強みかなと。マラソンという名の通り、学校で49.195時間勉強しようという企画でした。参加生徒の満足度は非常に高く、「iPadの充電が0になるまで、1日こんなに勉強したのは初めてだった」と言ってくれました。そこから得られたものは大きかったな、と思いましたね。

山田先生:たくさんあるんですけど、採点コストが0というのが圧倒的だと思います。塾では交換採点をよくやりますが、それがなくなります。あとは家でできる。塾にいる時間はそこまで長いわけではないですから、その時間を通じて家庭内の自由な時間をどのようにマネジメントするのかが大事じゃないですか。その子をツールを通じて繋がれるというのは先生たちの業務管理にもなると思います。生徒たちに寄与できるのこととしては「コスト低く、成果高く」を既に実現しています。また、Zoom教育も去年導入して、保護者からもすごく感謝されたんですよね。Zoomで展開できる点も、うまく活用できると良いことがたくさんあると感じております。

竹内:ありがとうございました。改めて、Monoxerは生徒の成績を向上させる存在として今後も精進していきます。学校様、塾様の垣根を超え、うまく連携できる部分や何か一緒にできるような部分があれば、またこのようなイベントを開催できればと思います。

 

おわりに

当日ご参加くださった皆様、また、本レポートを最後までお読みくださった皆様、誠にありがとうございました!Monoxerに興味が湧いた!もっと知りたい!という方は、是非資料請求や無料トライアルのお問い合わせをいただけますと幸いです。

今後も継続的にイベントを実施しておりますので、是非ご参加ください。今後とも、解いて憶える記憶アプリMonoxerをどうぞよろしくお願いいたします。

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