セミナーレポート

7/30「学校改革とICT『定員割れの学校を5年で人気校にする秘訣を教えます!』」セミナーレポート

こんにちは、モノグサの中村です。
2022年7月30日(土)に、「学校改革とICT『定員割れの学校を5年で人気校にする秘訣を教えます!』」セミナーを開催いたしました。

定員割れの状況から一転し、人気校となった東葉高校で行われた学校改革とは?
ICTを活用した英語授業の秘訣はどこにあるのか?
学校改革に取り組まれている先生方を始め、教育関係の皆様に本セミナーの模様をレポートいたします!

登壇者プロフィール

西村 桂 先生 (東葉高等学校 校長)

市川中学校・高等学校に33年間勤務。同校で広報部長、学年主任などを歴任。2016年4月、東葉高等学校に副校長として着任。翌年、校長に就任。2018年3月、千葉大学教職大学院スクールマネジメント科修了

菅原 直弥 先生 (東葉高等学校 英語科)

中央大学文学部英語文学文化専攻卒業。Monoxer導入。グローバル教育責任者。当校の英語教育の発展に貢献。現在は英語教授法(TESOL)など応用言語学を研究

東葉高校の学校改革(西村 桂先生)


私が校長を引き受けた東葉高校は当時崖っぷちの状況にあり、失敗は許されない覚悟で学校改革に臨みました。
唯一、船橋市は人口が増加中であり、さらに東葉高校は駅から5分というアクセスなので、それを活用したら可能性はあるんじゃないか、伸びしろがあるなと思いここに賭けました。

改革を起こすための現状把握


学校改革で大切なことはまず現状把握です。現状を把握せずに、いきなり何か改革を起こすことは不可能です。
最初の1年間は副校長として、先生方の性格や適性、そして生徒が求めているものを肌で感じながら、東葉高校の特色に合わせていくことを大切にしました。

改革への問題点として、担任の先生方は若くてやる気があるのですが、学校改革を起こすため組織的に動いた経験はまだありません。提案があっても、声の大きな人に遠慮してしまうところがあり、ジレンマを感じました。

改革前の生徒の様子です。生徒は欠席遅刻が多く、授業中に寝てしまう生徒も多かったです。

クラブ活動はバレー部が3人、サッカー部が8人といった状況なので、人数が足らず練習試合もできません。そうするともう年度途中に部活を辞めてしまうのですね。
その結果どうなるかというと、時間を持て余してアルバイトにはまり、生活が不規則になり、遅刻欠席が多くなり、授業に集中できなくなるという悪循環が生まれます。

この風土を断ち切るのに約5年はかかりました。


先生方の授業評価アンケートも毎年実施しており、4.0が最高値として3.5以上の教員が、改革1年目は28%だったのですが、これが4年目で53%にまで増加しました。
先生方の間でも、授業はお互い自由に見学して良いという風土を新たに作り、頻繁に授業研修をやってもらっています。

ビジョンと戦略

学校改革に大切なことはビジョンと戦略です。
現状把握ができたら、ビジョンは5年を1ステージの中期計画とし、戦略は1年ごとに考え、前年度の3学期には再調整して、4月1日には先生方の前で発表しています。
2,3年先を考えて戦略を立てております。


学校ビジョンは非常に重要です。初の学校改革なので、他校との「差別化・区別化」は不可欠だと思っています。
「進学は保証するが脱進学校」とあるように、まだ偏差値40台なのでやはり進学実績を出さなければいけないのですが、一方でこれからの時代は進学だけではないなというイメージも持っております。

自由な発想による他校との差別化


他校との差別化については色々とありますが、私は結構自由な発想で行っています。

毎年生徒にアンケートを取って、制服やバッグなどは少しずつマイナーチェンジしていき、生徒の要望に近付けています。

スマートフォンも最初は没収などをしていましたが、生徒会と話し合い「便利なものは使った方が良い、ルールを守って使おう」という形で休み時間、放課後や授業でも使うようになってきています。
購買の自販機も160円と高かったので値下げし、お弁当も改良しました。

図書館改革としては、なかなか生徒が図書館に来てくれなかったので、芸能人の写真集を前面に出し、また漫画本も導入しました。
今では図書館にたくさんの生徒が来るようになり、明るい雰囲気となりました。

このように、固定観念を変えなければ学校改革はできないと思っております。

超攻撃的なカリキュラム


カリキュラムは私の得意な分野で、今回は「超攻撃的なカリキュラム」というものを作りました。
東葉高校には英数国が苦手で入学してくる生徒が大半です。ですから、高校から習う科目でまず勝負をしていきます。
例えば文系の日本史や政経といった1教科に特化して、入学時から一般的なカリキュラムの倍の時間を取り組んでもらいます。

そして高校2年生の後半にある模試で、社会の偏差値が60〜70くらいの高い結果が出ることで生徒は非常にやる気が出ます。
そのようにモチベーションを上げてから苦手分野の古典や英単語といった部分も固めていき、大学に合格していくという作戦です。

ただし年々入学してくる生徒の学力も上がっているので、毎年カリキュラムは見直しております。

ワクワクする校長企画



学校ビジョンにもあった、他校とは違うワクワクする企画として「よしもとライブin東葉」を毎年実施しています。
また「校長企画『この指とーまれ』」として、校長が企画して、募集した様々な場所へ引率するイベントも年10回ほど行っています。

こうした企画があることも、偏差値アップの要因になっているかもしれません。
つまり他の学校はやらないことや、わくわくする・楽しいを追求することがポイントなのではないかと思っております。

ICTを拡充


ICTに関してはこれまで遅れを取っていたのですが、コロナの影響とGIGAスクール構想があり、短期間に導入が進みました。

先生同士の連絡もLINEWorks、職員会議もGoogleクラスルームを使っており、現在ではどこからでも職員会議に参加できるようになっております。
また全館にWi-⁠Fiが整備され、iPadも全校に導入されたことで、デジタル授業へ移行していく準備も進んでおります。

 

偏差値UPの秘訣


最後に偏差値の上がる重要な秘訣をお伝えします。
実は私は小学生の時からヤクルトファンなんですが、昔のヤクルトは弱かったんです。下位の球団が上位に上がるには、3連戦を2勝1敗では差が縮まりません。3連勝しないと逆転できないのです。

偏差値も同じで上がると安心してしまい改革の手を止め、元に戻ることが多いです。偏差値が上がると合格が難しくなるので、受験生が減り、次の年は偏差値が下がってしまい1勝1敗となることが多いところですが、私は3連勝しか考えていません。

そのためには3年連続100個程度の新しいチャレンジをしていくことが大切です。これが偏差値アップの秘訣だと考えております。

 

ICTを活用した英語授業(菅原 直弥先生)

Monoxerを導入した背景

東葉高校には「楽しい、面白い」学校にしたいという原点があり、様々な独自のイベントを企画しています。
その一つとして、学校改革当時は英語の苦手な生徒が多かったことから、学校全体で「英語祭り」をイベントとして行うようになりました。

「英語祭り」の1つとして、年6回「Vテスト」と名付けた英単語の小テストを全学年対象に実施しており、現在では恒例行事となっているのですが、このVテストの実施から4年近く経った時に以下のような課題へ直面しました。

・各クラスの教員による語彙指導への熱意や教え方の差が、そのままクラス間における結果の差に繋がってしまった
・語彙や熟語といった知識面の不足が、入試本番でも弱点となってしまった
・生徒によって習熟度に差があり、一人一人のレベルに合った語彙指導ができていなかった

解決方法を模索する中、2年前に研修へお越し下さった先生からMonoxerをご紹介いただき興味を持ちました。
実際に体験でMonoxerを使わせてもらうと、各自のレベルに合わせて問題の難易度が変化したり、進捗状況に応じて教員からフィードバックができたりするなど、あらゆる面で記憶の定着に繋がるような効果を実感でき、導入させていただきました。

ICTを活用した授業実践



Monoxerでは、先ほどご紹介した「Vテスト」のスケジュールに沿って英単語学習を進めております。
生徒の活用シーンとしては家庭学習をはじめ、授業のウォームアップとして冒頭に5〜10分解いてみたり、通学電車内など様々なすき間時間にも取り組んでもらっています。

生徒からの発案で「Vテスト係」も誕生しました。これはMonoxerを通してVテストに向けたモチベーションを高める係です。

教員側から共有されたMonoxerによる学習状況を基に目標を定めたり、間違いの多かった問題をホワイトボードに書くなど、こうした生徒が主体となる係が存在することで、Monoxerへの意欲向上となり、結果的に単語力向上にも繋がっていると感じております。

コミュニケーションを通じた英語学習としては、Google Classroomやビデオアプリを使い、1,2学期にペアでの英会話ビデオ作成を行いました。
生徒は「日本の労働環境」や「再生エネルギーの可能性」などからトピックを選択して、英語で自身の意見を述べた会話を撮影し、Google Classroomに提出するといった流れです。

3学期にはさらに発展させ、「SDGsビデオプロジェクト」として、レシテーション・コンテストとも関連しながら、「持続可能な社会を実現するために各自ができること」をテーマにスピーチをまとめるといった活動も行いました。

このようにICTを活用した学習方法を取ることで、オンライン授業であってもネイティブチェックや添削を行うことが可能となり、コロナ禍であっても継続的に生徒のアウトプット能力を伸ばしていくことができました。

 

1年間を通じた結果について見ていきます。
まず改善すべきだったVテストについて、特進クラスでは年間で96.7点、進学クラスは昨年の75点弱から一気に5点以上アップして80点を超えるようになりました。

また、英検では1年生の段階で高卒レベルである2級が6名、準2級が75名と、特進クラスの約半数以上の生徒が、準2級以上のレベルを持った状態で2年生に進級することができました。

ICTツールの使用に関しては先生方の使い方によって、無限の可能性があると考えます。

Monoxerをはじめ便利なツールを効率的に活用することによって、クラスでのコミュニケーションといった大切な時間も確保できますし、アウトプットの流暢性や語彙・文法の正確性をチェックできるなど、必要な能力をバランスよく鍛えることができると思います。

英語学習者として登らせたい山は?


最後に、「英語学習者として登らせたい山は何なんだろう?」と考えていくと、これはひとえに「大学受験合格」という山ではなくて、「1人の学習者として他者と関わりながらコミュニケーションを大切にし、自分も尊重できるような山」だと考えています。

英語という他言語を使うことで、自分がどのような人間であるかが少しずつ見えてくる部分もあり、授業で異文化について学ぶことでも「『自分』や『日本』って何だろう?」と問いを持つこともできます。
同時に、私からも「コミュニケーションを大事にしてほしい」というメッセージを繰り返し伝えており、生徒たちも理解してくれた上で授業に参加しているように感じています。

学期末に取った授業アンケートの中に「私(菅原先生)が大切にしていることは何だと思いますか?」といった問いがあったのですが、それに対し「グローバル化が進む世界において、手段として使える英語に焦点を置くこと」と書いた生徒もいました。

まさに核心を付いていると思いますし、そのような感受性を持って入学から日々、現在の自分を超えたいと頑張っている姿を見ると非常に心を動かされます。
卒業までにしっかりと力を付けて送り出すためにも、これからもICTの活用や授業内外のコミュニケーションを大切にして、生徒の可能性を引き出していきたいと思っております。

おわりに

当日ご参加くださった皆様、また、本レポートを最後までお読みくださった皆様、誠にありがとうございました!
Monoxerに興味が湧いた!もっと知りたい!という方は、是非資料請求や無料トライアルのお問い合わせをいただけますと幸いです。
また、今後も継続的にイベントを実施しておりますので、是非ご参加ください。
今後とも、解いて憶える記憶アプリMonoxerをどうぞよろしくお願いいたします。

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