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活用ポイント
- 自学自習が苦手な生徒を支援するために活用
- 試験で問われる形式に合わせて、Monoxerでの出題方法を工夫
- 学習の習慣化に貢献。休み時間にMonoxerで学習する生徒が増加
導入による効果
- 以前と比べて、定期考査の平均点がアップ
- 単語テストを週3回→週1回に減らしても、学力が維持できている
- Monoxerを使用していないコースの生徒と比べて、Monoxerを利用している生徒の中間考査の平均点が約20%高い
自学自習が苦手な生徒へのアプローチとしてMonoxerを導入
Q.初芝橋本中学校・高等学校の特色を教えてください。
創立33年目の私立中高一貫校です。主なコースは国公立大学や有名私立大学進学を目指す「プレミアムコース」「総合進学コース」、立命館大学への進学を目指す、高大接続型の「立命館コース」、野球やサッカーを中心としたスポーツで全国大会を目指す「スポーツコース」の3つです。私は「立命館コース」の担任をしておりまして、現在Monoxerを使用しているのは「立命館コース」のみとなります。
Q.御校では、現在1コースのみで導入されているのですね。
はい、導入には費用がかかりますし、実績のない状態で全コース導入は関係者の了解を得られない状況がありました。まずは「立命館コース」で導入開始することで、Monoxerの効果を確かめながら活用を広げていきたいと考えています。
Q. Monoxer導入のきっかけを教えてください。
教育方針の転換や電車のダイヤ改正など、諸事情が重なり、これまで実施していた「早朝テスト」と「7・8時限目の授業」が無くなりました。学力の低い生徒は、早朝テストや無くなった授業時間で支援できていた面があったので、いわば急に手を離したかたちになりました。自分で勉強することが苦手な生徒は「家に早く帰ってくるだけで何もしない」状況となる可能性がありました。 もう一つ感じていた問題は、すでに導入していた動画視聴型の学習ツールの効果が得られていなかったことです。良いツールだとは思うのですが、生徒に徹底して使わせるには、教員側の負担が大きいという事情がありました。「動画があるからやりなさい」と言うだけではだめで、教員側で学習管理ができて、さらに効果がわかりやすいものである必要がありました。そのとき、以前同僚の教員からMonoxerについて話を聞いたことを思い出してご連絡したのが、一番最初のきっかけになります。
Q.動画視聴型の学習ツールでは、具体的にどのような点が教員の負担が大きいと感じられましたか?
生徒に体系的な学習を行わせるためには、教員側での管理が必須だと感じます。すでに導入していたツールでは、教科担当ではなくクラス担任が主となり管理する仕組みになっていました。クラス担任が全教科の進捗管理をするという点で、負担が大きいと感じました。
Q.早朝テストや授業が無くなったことで、生徒さんに変化はありましたか?
家庭学習の習慣がある生徒とない生徒で、学力差が出ているように感じます。英語に関しては早朝テストがなくなり、毎日しっかり英単語を憶えるという意識が定着しにくくなりました。「立命館コース」では、大学推薦のためGTECスコアの取得が必須です。早朝テストができなくなった状況でも単語力をどうにか生徒に身に着けさせたいという思いがありました。
Monoxerを使用することで、定期考査の平均点がアップ
Q.Monoxerで配信する問題を作成するとき、特に意識されていることはありますか?
各種英語試験によって、リーディング・リスニング・ライティングそれぞれで求められる単語のレベルが異なると考えています。「単語を見て日本語の意味がわかる」、「聞き取れる」、「自分で書けて文章でも正しく使える」などです。いずれのレベルでも生徒が対応できるようにするため、Monoxerでの出題の仕方を工夫しています。Monoxerでは英単語と日本語の意味を紐づけて憶えるだけでなく、文章の穴埋め形式でフレーズを憶えたり、流れてくる音を正しく綴るディクテーション等、多様な問題形式で問題を作成ができるので、憶えさせたい形式に合せて問題を作成しています。
Q.単語学習の進め方について、詳しく教えてください。
週1回単語テストを行っています。週ごとに50〜60単語をMonoxerで配信して、生徒には憶えてもらっています。Monoxerを使用すると、自動で採点が行われすぐに結果がわかるので、合格点を満たさなかった生徒にすぐに対応することができます。
Q.Monoxerを使い始めて、生徒さんにはどのような変化がありましたか?
Monoxerを利用して試験を行うと、すぐに結果がわかります。授業中に正面に結果を映しているのですが、クラスの中で自分の順位がすぐに出るので、生徒の勉強へのモチベーションになっていると思います。また、「自分が理解できていない単語が繰り返し出題される」というMonoxerの特徴が単語帳を利用したこれまでの学習と大きく違っていて、生徒の英単語の記憶度が上がったように感じています。
また、Monoxerでは管理画面上の学習サマリーや学習履歴から「誰が・いつ・どれくらい・どの課題を学習したのか」が一目でわかります。その情報を元に「今日は朝からMonoxerをやっていたんだね」など声掛けができるようになりました。「先生は私を見てくれているんだ」と生徒が感じることで、より頑張って取り組むようになりました。このようなMonoxerによる生徒の変化を実感できているので、Monoxerを継続して利用しています。
Q.Monoxer導入後、成績面での変化はありましたか?
定期考査の中の英単語問題パートの平均点が上がりました。Monoxerで単語テストを行ったときの方が、紙で単語テストをしていた頃の中間考査の平均点よりも高かったのです。中間考査は週1回の単語テストよりも出題範囲が広いので、平均点は下がるのがこれまでの傾向でした。これは、Monoxerを使って暗記すると長期的に記憶に残すことができるということだと思います。
Q.Monoxerでの学習習慣を定着させる取り組みがあれば、教えてください。
Monoxerの管理画面上の学習履歴やサマリーを見ながら、クラス担任や教科担当がリアクションを送ったり、生徒に個別に声掛けをするなどしています。今では、テスト前でなくても休み時間にMonoxerで学習する生徒がかなり出てきましたので、習慣化しつつあると思います。1回あたり2分ほどで学習できる手軽さもありがたいです。
また、これは新しい取り組みになるのですが、保護者との三者面談でMonoxerを使った単語テストの成績をグラフ化してお見せすることを考えています。模試やGTECの結果を見せることはこれまでもありましたが、単語テストについては初めてです。保護者の方々には日頃の生徒たちの努力を客観的に見ていただき、ご家庭でも声をかけていただくきっかけにしていただければと考えています。
生徒の「長期記憶」に効果があることを実感
Q.その他、Monoxerを使ったことで感じた効果はありますか?
英単語の小テストがこれまでの「週3回」から「週1回」に減ったのですが、定期考査の平均点が上昇していることから「小テストの実施回数が減っても、生徒の長期記憶として残っている」ということだと考えています。これまで紙で行う小テスト用に問題を作っていましたが、その時間と手間が削減されました。
あとは、中間考査の結果を比べたときに、Monoxerを導入しているコースの方が約20%得点率が高いという結果が出ました。同じ問題を使っているので、違いはMonoxerで小テストを実施しているか、Monoxerを使わずに生徒が自分で学習を進めているかという違いだけです。コースこそ違いますが、よく勉強する生徒たちなので、この比較でこれほど差が出るということに驚いています。生徒がMonoxerで学習するためには、教員が配信する問題を準備しなければなりません。そこに関しては、紙を使っていた以前と負担は変わらないのですが、このように生徒の成績向上が結果として出ていますので、これからもMonoxerを使い続けていきたいと考えています。
Q.最後になりますが、Monoxer導入しての率直なご感想をお聞かせください。
「導入してよかったな」というのが感想です。当初、Monoxerの機能面を重視して導入を決めたのですが、実際に導入してみるとMonoxer担当者さんが本校生徒の学習データを一緒に確認してサポートしてくれたり、応用的な使い方についての質問も受けていただけました。提案のタイミングも適切で、寄り添ってもらっているなと感じます。導入したあとは自分たちで全部やらないといけないのだろうなと思っていたので、非常にありがたいです。今でもMonoxerはすばらしいと思いますが、今後もっとよくなることを期待しています。