Table of Contents
活用ポイント
- 漢字学習のペーパーレス化を実現
- 管理画面で児童の学習スタイルを個別にチェック
- 学習状況をもとに、必要に応じて児童への個別ケアを実施
導入による効果
- ペーパーレス化により、丸付けの工程がなくなって教師の負担が大幅に減った
- 教師の負担減により、心身にゆとりが出て、児童へのケアを丁寧に行えるようになった
- 100%を達成しやすい問題を作成し、児童のモチベーションアップ
担任の経験を生かしICT専任としてより良い学習環境へアップデート
Q.荒濵先生は城南学園小学校でどのようなお仕事をされているのでしょうか?
教員になって13年目ですが、今年からICT専任兼副担任になりました。以前は高学年の担任を任されることが多かったのですが、今年はICT教育に注力してほしいということで、副担任を任されることになりました。
普段の授業のサポートに入りつつ、ICT専任として城南学園小学校がより良くICTツールを使えるように整備を進めていきます。
Q.ICT担当になったのは今年からですか?
専任になったのは今年からですが、以前から中心的な立場でICT教育に関わっていました。遡ればICT教育がここまで話題にのぼる以前は、プロジェクタなどの視聴覚機器を導入する段階から業務のサポートを行っていました。
他にも、出席簿や通信簿などのデジタル化を進めたり、8年前に電子黒板を導入したときは補助金の手続きなどを行ったりもしました。
今はICT専任として学校教育全体のアップデートをスムーズに進めるための環境づくりを行っています。
Q.タブレットは全員が所有しているのですか?
はい、当校では1人1台タブレットが配布されています。
タブレットの導入を決めた当初は私が担当だったのですが、どんなツールを入れるか、という点から始まり、使い方までいろいろと試行錯誤を重ねました。
ここ最近になって、ようやく一通りのICTツールがそろったという感じですね。
独自の教育システムの3つの柱のうちの1つ「学力の基礎・基本の徹底」を実現するためにMonoxerを導入
Q.城南学園小学校でMonoxerを導入することになったきっかけを教えてください。
当校では実践力のある魅力的な人間を育むために、独自の教育システムとして3つの柱を掲げています。
1つはあいさつや礼儀作法といった「人間としての基礎・基本の徹底」、2つ目は「学力の基礎・基本の徹底」、そして3つ目は体験活動や情報教育などを介して「学ぶよろこび・活動するよろこびの徹底」です。
Monoxerは2つ目の「学力の基礎・基本の徹底」をサポートするツールとして導入しましたが、今後は3つ目の「学ぶよろこび・活動するよろこびの徹底」にも活用を拡げていきたいと思っています。
Monoxerは作成したbook(問題集)の難易度を個別最適化して憶えさせることができるツールなので、ひとりひとりの子どもが興味を持ったもの、学びたいと思ったものを選んで学習するということも可能です。
学校でやらされるのではなく、Monoxerで自分が学びたいことを選び、それを学習して知識や体験を得る喜びを、子どもたちに感じてもらえたらいいなと思っています。
Q.Monoxerの他にもAI学習ツールはたくさんありますが、その中でMonoxerを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
実際にMonoxerを体験で活用してみて、問題の内容を自由に作成したり、問題数を調整したりできるのが良いと思いました。
他のツールだと、あらかじめ決められた範囲内でしか活用できないスタイルが多かったので、Monoxerは自由度の高さが魅力だと感じたんです。
Q.はじめはどのようにMonoxerを使い始めたのでしょうか。
最初は漢字学習からスタートしました。
漢字学習は子どもによって進度に差が出ますが、できない子だけ問題をやらせればいいというわけではないので、アプローチが難しいんです。
Monoxerなら、問題内容と問題数を調整できるので、子ども1人1人の学習状況に合わせて活用できるのは良いところだと思いました。
丸付け作業を委託することで心身の負担が軽減され、子どもへのケアがより丁寧になった
Q.Monoxerを導入してみて、どのような変化を感じていますか?
今までの漢字学習は、漢字ノートに大量の漢字を繰り返し書いて憶える学習をしていました。
これは、憶えているのも書かなければならないため、肝心の自分が憶えなければならない漢字を書くときもただの作業になってしまい、宿題をこなすだけの漢字学習でした。
そこをMonoxerに任せることで、漢字に強い子は、前までの無駄な作業がなくなり、時間が生まれました。
当校では小学校で習う6年分の漢字を連番にした問題集をこなす「はげみ学習」という独自の学習法を30〜40年前から導入しています。
1年生の頃から各自のスピードで「はげみ学習」に取り組むことで、苦手を克服し、得意を伸ばしていくのが主な目的です。
このはげみ学習にMonoxerを採用して、番号ごとに2回チャレンジし、全問正解で100%になったら次の番号に行く、というシステムを採用しています。
子どもたちが取り組みやすいように量を多くしすぎず、一度にチャレンジできるのは2回までにしていますが、そういう柔軟な対応が可能なのもMonoxerの利点ですね。
Q.先生側でも、Monoxerの導入で大きく変わったことはありましたか?
丸付けの工数がなくなったので、とても楽になりました。
単純に丸付けの作業がなくなったというだけでなく、教員の方も間違った回答に×をつけるのは、少なからずストレスになるんです。
あまりに×が多いと居残りを言い渡すなど、子どもにどうしても厳しくなってしまいがちなところもあります。
Monoxerを使えば、丸付け作業を委託できるので、我々教員の方にも心の余裕が生まれて、子どもたちに対してより丁寧にケアできるようになっている気がしています。
また、Monoxerの管理画面を見れば、学習している子、学習していない子をすぐにチェックできます。
学習していない子に対しては学習の遅れや苦手が出ないよう、ピンポイントでサポートできるようになったのもMonoxerのおかげだと思います。
他の先生にMonoxerの活用法をアドバイスし、普及率アップを目指す
Q.城南学園小学校では、Monoxerの導入はかなり進んでいるのでしょうか?
現在、導入して3年目になりますが、子どもたちはこちらが提供すれば、割とスムーズに対応してくれますね。
先生も、ICTに慣れている方はどんどん活用していますが、ICTに苦手意識を持っている先生は、まだまだ十分に使いこなせていないのが現状です。
私がMonoxerのマニュアルを作成したり、直接説明をしたりすることもありますが、わからないことがあるとヘルプに呼ばれることも多いです。
今後は私を中心に、Monoxerを使える先生を増やしていきたいというのが目下の課題です。
Q.具体的にどのような対策を行っているのでしょうか?
導入当初は、子どもたちに対して何日間でどのくらいの問題を出せばいいのか、さじ加減に悩むこともありました。
試行錯誤した結果、子どもたちのモチベーションを維持するには100%を取りやすい内容に調整するのがベストだと思ったので、他の先生方にはそのようにアドバイスしています。
また、Monoxerの活用率が低い先生が担当しているクラスから、Monoxerをよく活用している子を見つけて、「◯◯くんはよくMonoxerを活用していますね」と先生に声をかけることもあります。
そうすると、先生も「どのくらい活用しているんだろう?」と気になって、Monoxerの管理画面を見るようになる。
そういうことの積み重ねで、Monoxerに慣れていってもらえるのが理想ですね。
Q.逆に、Monoxerの普及を促す上で気をつけている点はありますか?
児童の中には、Monoxerをあまり活用していない子もいますが、名指しで「◯◯くんはあまりMonoxerを使っていませんね」とネガティブな指摘をしてしまうと、先生の意識も悪い方に向いてしまいがちです。
できていない子ではなく、できる子を見つけて褒めてもらうところから取り組んでもらえるようアドバイスしています。
基礎学力の定着だけでなく、その先へ
子どもたちが自分で必要な学習を選べる仕組みを取り入れたい
Q.今後Monoxerを使ってチャレンジしたいこと、やってみたいことはありますか?
Monoxerを活用する時間を増やしていきたいですね。
そのためには、授業時間を短くしてもいいのかなと思っています。
最近ではICT機器の導入によって、スムーズに授業を展開できるようになってきています。短時間でも中身の濃い授業を行うことができます。
実際、他の小学校では40分授業を導入しているところもあるので。
45分授業を40分に短縮すると、1時間につき5分の時間ができるので、6時間授業なら30分も浮きます。
その生まれた時間をMonoxerタイムにして、Monoxerをやろうという流れを作れたらいいなと思って、今学校の方に提案している最中です。
Q.Monoxerの利用時間が増えたら、こんなことをしたいという展望はありますか?
さまざまなbook(問題集)を用意して、自分に必要なものを選んでやるという個々に合った学習法を進めていきたいですね。
自分に不足している部分を重点的に学習したり、ことわざや敬語をクイズ感覚でやれるようにしたり。
Monoxerを利用すると、自分が苦手なことを重点的にやれる一方、憶えた部分はスキップできるので、時間が浮きます。
その浮いた分を、自分で選んだbook(問題集)に費やせば、より効率的に学習できるのではないかと思います。
知らないことばかりの中で、考えていくよりも、知識という手持ちのコマをたくさん持つことで、学習の質が変わると考えています。また、学ぶ意欲へもつながっていると思います。
今後変革していく社会の中で生き抜く子どもには、学んだ結果としての学力だけではなく、学ぶ意欲と学ぶスキルが求められます。しかし、まだ中学受験では学力が必要とされます。
学力はMonoxerで身につけ、学ぶ時間の短縮で生まれた時間を活かし、学び続ける意思、自分の学びを自ら組み立てる力、議論や対話を通してより良い納得解を構築できる力などを身につけさせたいと考えています。