ICT教育の先駆者・敬愛小学校が、Monoxer導入で目指す「未来の子どもたち」のための教育スタイルとは

2023/8/29
2014年から生徒1人に1台のiPadを導入し、いち早くICT教育を推進してきたことで知られる敬愛小学校。ネイティブの先生に教わる英語授業や小学校・中学校・高校の12カ年一貫教育、入学前学習など、先進的な教育が注目を集めています。

2023年2月より入学前の事前学習に活用し、4月から漢字や英単語の反復学習のサポートツールとしてMonoxerを本格導入。学校長である龍達也先生と国語科の吉田かすみ先生に、Monoxer導入の経緯と効果を伺いました。

活用ポイント

  • ひらがなや漢字の読み書きはMonoxerで自学自習、国語の授業内では双方向型の授業を展開
  • 小学校入学前の事前学習において、Monoxerでのひらがな、英語のスペルのライティングを学習
  • Monoxerで学習・採点まで出来るため、教師の採点時間を短縮

導入による効果

  • 達成度が分かりやすく見える化され、休み時間に自主的に勉強する子どもが増加
  • 入学前に基礎ができ、授業への理解度が高まる
  • 先生は採点ではなく「なぜ間違えたのか」「何が苦手なのか」を指導できるように

1人1台iPadを導入、個別最適型学習を早期から推進

 

Q:2003年の開校以来、「未来を生きる子どもたちのために」をテーマに教育改革に取り組んできた私立敬愛小学校。2014年には1人1台のiPadを導入し、双方型の授業や、個別最適型学習を推進されていますが、いち早くICTツールの活用に着目された背景を教えてください。

<龍校長先生>AIの進化をはじめ、激変していく未来を創っていく子どもたちには、新しい時代のスキルを身につける必要があります。そのための学校の役割は、知識の習得に終始することなく、子どもたちが自分で情報を活用し、他者と協働しながら最適解を作っていく場の設定を行うことが大切であると考えています。もちろん課題解決やクリエイティブな活動のためには、基礎学力を磨く必要があります。限られた授業の時間内で「個別最適化型の指導」と「協働学習」を行うためには、デバイスの活用が必要不可欠でした。

 

 

Q:具体的にどのようにICTツールを活用されたのでしょうか?

<龍校長先生>「協働学習」では、教師との双方向型の学習と児童同士の主体的・対話的な学習に活用しています。ICT機器は、45分間という限られた授業時間の中で、全員が思考を巡らせ、他者とともに学びを深める授業スタイルを可能にしてくれました。次に「個別最適化型学習」では、AIを活用することで、その児童の理解度に応じた効率的な学びを「見える化」しながら行うことができるようになりました。

 

地球を支える1人の市民としての意識を持ち、社会課題に取り組む姿勢を育てたい

Q:龍校長先生が考える、教育の最終目標とは。子どもたちにどんな姿勢を身につけさせたいと考えていらっしゃいますか?

<龍校長先生>教科の学習で身につけたスキル・知識を活かして、様々な課題を主体的・創造的に解決できる姿勢を身につけて欲しいと考えています。昨年は、6年生がスーダンの医療団体とZoomを通して交流し、水問題や教育問題等について自分たちで解決策を考えてプレゼンテーションをしました。スーダンの現地の人たちと課題を話し合い、解決策を見つけていくためには、英語力はもちろん、様々な力が必要です。国語の授業で身につけた対話の方法やメモを取る力、算数や社会の授業で身につけたグラフを読み取る力、情報科で身につけたICTスキルなど、教科を横断した力が必要となります。それらを駆使しながら、自分たちだったらどんなアイデアが生み出せるかを考えていく。実際に、ペットボトルで作る「簡易ろ過装置」の製作・提案を行い、その製作方法をまとめた動画作成を行ってプレゼンテーションを行いました。

 

漢字をMonoxerで早く憶え、授業は思考を深める時間に

Q:「記憶すること」に特化した学習支援ツールMonoxerをどのように活用していますか?

<龍校長先生>Monoxerは個人のレベルに合わせた問題をAIが自動で生成し、習熟度と忘却度に合わせて出題形式や出題頻度、難易度を調整することが可能です。敬愛小学校では国語科の漢字習得にMonoxerを導入し、授業では漢字指導の時間を大幅に削減することができました。授業ではその時間を協働学習等の時間に運用することができるようになり、意見交流の幅が広がりました。

 

Q:漢字習得はMonoxer、授業では双方型の学びと、役割分担しているのですね。

<龍校長先生>はい。敬愛小学校では早期漢字学習を採用しており、その学年の漢字指導は9月には終えています。早い段階で漢字を習得していれば、授業内で新出漢字を改めて取り上げて指導する必要もなくなり、その時間を主体的・対話的な学習指導に活用することができます。

Monoxerは試験日など特定の期日を設定しておくと、学習者の習熟度を元に毎日の学習量と学習内容を提案してくれます。達成度がパーセンテージで表示されるため、子どもたちは「早く100%にしたい」と目標ができ、休み時間を利用して学習する児童も多いです。

 

 

Q:Monoxerではオリジナル教材作成も可能。敬愛小学校独自のカリキュラムや学習スピードに合わせた内容にカスタマイズいただいていますよね。

<龍校長先生>iPadを採用してから様々な学習ツールをリサーチしてきました。教科書準拠の基礎コンテンツのみのツールでは、独自のカリキュラムの授業を行なっている本校にとってはニーズに合わない部分がありました。その点、Monoxerは問題をカスタマイズして自由に作成することができ、本校のような取り組みを行なっている学校にとっては、理想的なサービスでした。

 

入学前の事前学習で基礎を身につけ、学ぶ喜びを知ってもらいたい

Q:敬愛小学校が実施している教育の1つに、入学前学習がありますが、入学前学習にもMonoxerを活用いただいていますよね。取り組み内容についてお聞かせください。

<龍校長先生>本校では小学1年生を迎える前に、ひらがな・カタカナ・数字・アルファベットの学習を各家庭で取り組んでもらっています。昨年度まではテキストをお渡ししていましたが、今年度からMonoxerを入学前学習に導入し、ひらがなとアルファベットのライティングを行いました。

ライティングでは、音声を聞き取り、正しくひらがなやアルファベットを書けるかどうかをテストしました。事前に保護者に対して説明会を行い、子どもたちのモチベーションを上げながら毎日継続して5分間だけ親子で取り組んで欲しいとお伝えしました。

 

 

Q:結果はいかがでしたか?

<龍校長先生>新1年生の子どもたちは、iPadの操作にも慣れた状態で入学し、また、ひらがなを丁寧に書くスキルを身につけて入学してきてくれました。Monoxerの手書き文字認識の判定が厳しい分、丁寧に書く習慣ができていたようです。子どもたちの習熟度を見ると、Monoxerで入学前学習を実施したことで、新1年生のカリキュラムを前倒しして実施することも可能ではないかと考えています。

 

 

Q:入学前学習によるスタートダッシュの効果について教えてください。

<龍校長先生>子どもたちは、どんどん吸収していく力があるので、事前に学んでおくことで、授業での理解度が変わります。そうすると学ぶことへの興味や楽しさが生まれます。アルファベットの読み書きができて、自分は英語が得意なんだと思うと、次の行動に繋がっていきます。入学前学習を実施しているのは、子どもたちに自信を持たせ、分かる喜びを体感してもらいたいからです。漢字検定や英語検定など資格の取得に積極的なのも、同じ理由からです。

 

記憶の定着に対する評価が、子どもたちの新たなモチベーションに

Q:漢字の書き問題にMonoxerを活用いただいていますが、先生方が子どもたちの進捗を確認できる管理画面を元に子どもたちに声かけされていることはありますか?

<国語科吉田先生>どのくらいの児童が取り組んでいるのか、何回実施したかの進捗具合を見るようにしています。また、Monoxerは回答内容を確認することができるので、1人1人が何につまづいたのかを見ることができるので、漢字自体を憶えていないのか、憶えてはいるけれど字が綺麗に書けていないのかなど、それぞれの間違えやすい箇所を見える化することができるようになりました。

 

Q:子どもたちのMonoxerへの反応はいかがでしょうか?

<国語科吉田先生>凄く張り切って取り組んでくれています。初めはなかなか正解できなくても、「ここを直したら◯になると思うよ」と声かけしていくと、◯になる児童が徐々に出てきます。周囲の児童が◯を出すと、「自分も◯を出したい!」と刺激になっているようです。どうしたら正解できるのか、「あとはここの曲線を直せばいいね」などと子どもたち同士で話し合いながら取り組んでいます。私たち教員もなぜ間違えたのかを一緒に考えて話しながら進めるようにしています。最初はAIの判定が厳しくて子どもたちのモチベーションが下がってしまわないか心配だったのですが、今担当している4年生ではそういった児童はほとんどいません。

 

 

Q:先生の作業効率に変化はありましたか?

<龍校長先生>大いにあります。例えば小テストの採点に1人5分かかった場合、20人の採点をするには100分かかってしまうことになります。Monoxerを活用し採点をAIで行うことで、採点時間を短縮し、子どもたちと向き合う時間を増やすことができます。子どもたちにとって、どんな先生と出会い、どんな学びができるかは非常に重要です。作業効率を上げることで、先生達の新しい授業のアイディアを生み出す時間を増やすことができ、子どもたちの豊かな学びに繋げることができます。

 

Q:Monoxerでは一度正解になった問題も、一定期間を空けて再度出題することで、記憶が定着しているかどうかの「記憶度」を測ることができますが、この点に関してはいかがでしょうか?

<龍校長先生>記憶度や習熟度を見える化できることは、子どもたちにとって、モチベーションUPに繋がると思います。子どもたちはテストの結果に一喜一憂しがちで、テストのときだけの評価では継続的な学ぶ意欲には繋がりません。記憶が定着していることに対して評価されるMonoxerは、子どもたちにとっても新しいモチベーションになっているのではないでしょうか。

 

Q:国語科と入学前学習での効果を受けて、他教科への影響はありますか?

<龍校長先生>子どもたちから「他の教科もMonoxerを使って学習したい」という声を聞くようになりました。すでに本校では、英語科・算数科・社会科など効果的な活用法について、教科会を中心に検討を行い、国語科以外でも様々な教科が活用しています。

本校では、Monoxerを活用して基礎力の定着を「見える化」「効率化」し、未来を創る子どもたちが、対話を通して学びを深めていく授業作りに努めています。これからも、未来を切り拓いていくための好循環を、Monoxerを通して実践していきます。

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