慶應義塾普通部が考える「労作教育」に繋がるMonoxerの活用方法とは

2023/10/17

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慶應義塾普通部は、学校法人慶應義塾が設置する学校のひとつで、小学校から大学院までの一貫教育を担う、神奈川県横浜市にある男子中学校です。福澤諭吉が江戸で創設した私塾にまでその起源を遡る歴史があります。 Monoxerは2022年から導入され理科・社会・英語・保健体育等の教科で活用しています。理科担当の矢澤 和明 先生にMonoxerの活用方法や導入後の変化についてお話ししていただきました。

活用ポイント

  • 生徒が自分にあった学習方法を選べるように、Monoxerを使うかどうかは生徒に任せている
  • 普通部独自のカリキュラムに対応した、各教員自作の問題を課題として配信

導入による効果

  • 記憶が苦手な生徒に対し、記憶定着の手段の一つとしてMonoxerを提供できるようになった
  • 教員が大切にしたい内容を押さえた問題をそのまま生徒に解いて記憶してもらえるようになった
  • 基礎事項の定着率が上がることで授業内容が深まり、発展的な学習内容を理解できる生徒が増加した

Q. 慶應義塾普通部の特色と学習指導について教えていただけますでしょうか?

小学校から大学院まで続く一貫教育の一部を担っているのが普通部です。中学校段階は3校ありますが、唯一の男子校です。一貫教育校は大学の付属校ではなく、それぞれが独立した学校です。また、中学から高校への進学先は慶應義塾高等学校だけでなく、志木高等学校、湘南藤沢高等部、ニューヨーク学院の中から選ぶことができます。

普通部では、「労作教育」という、時間を惜しまずに、自分の心身を思う存分に活動させて、その中で自ら考え、自主的な選択や決定ができるようにする教育方針を大切にしています。私は理科を教えていますが、教科書からの学びだけではなく、実験・観察など体験を通した学びの時間を多く設けています。こういった学びには、基本的な知識事項の理解や定着が前提となることがあります。基礎をしっかりと理解した上で、実践的な学びを深めることを大切にしているため、Monoxerは記憶定着のサポートツールとして普通部の学びの基盤を作るうえで役に立っていると思います。

 

Q. 2015年に新校舎が竣工して以降、コロナ禍においても授業支援を行うICT機器やアプリを多く活用されてきたそうですが、Monoxerを活用し始めたきっかけは何ですか?

Monoxerはこれまで導入してきたICT機器やアプリとは異なり、e-learningに属するツールだと考えています。

 

 

当初は問題演習をするためのアプリとして認識していましたが、Monoxerについて調べていくと、生徒一人ひとりの記憶度に応じて、問題の難易度や出題頻度が自動で調整される点が、これまで利用してきたアプリとは異なると分かりました。また、自作の問題をアップロードしてMonoxerのアプリで出題できることを知り、「元素記号を暗記する活動と親和性がありそう」と思い、Monoxerでの問題作成を始めたのが活用のきっかけです。

 

Q. なぜMonoxerの学習を元素記号の記憶定着で活用ができそうだと思っていただけたのですか?

これまで暗記が苦手な生徒に記憶定着させるための方法を十分に示せておらず、何か工夫の余地がないかと考えていました。

例えば元素記号を暗記する際、名前から記号、記号から名前、番号から名前と3つの要素が書かれたプリントを配布し、それぞれセットにして憶えているかをテストで確認していました。具体的な暗記方法については生徒に任せられており、こちらから特に指導することはありませんでした。

暗記が得意な生徒は自分なりの効果的な学習方法を持っていますが、暗記する経験が少なく効率的にできない生徒は、完璧でないまま試験を受けます。そして、元素記号を完璧に暗記できずに次の発展的な学習に進むことになります。これにより、かなり学習到達度に違いが出てくることを感じていました。

暗記の得意不得意は、勉強ができるかどうかや直感力やセンスとは必ずしも比例しないと思います。暗記することが苦手な生徒たちにとって、Monoxerを利用することは学習方法の一つの提案となると思い、生徒にMonoxerを提示しました。

 

Q. Monoxerをご導入する際に、効果を期待されていたポイントはありますか?

まず元素記号をはじめ基礎事項を完璧に記憶できる生徒が増えることです。Monoxerを導入してから、基礎部分をきちんと記憶定着することができる生徒たちが増え、その先の発展的な内容まで理解が到達している生徒が増えていると感じます。

 

次に、生徒自身の学習モチベーションの向上です。生徒はクイズ形式になると夢中になって学習を進める姿をこれまで見てきたので、ただ紙で書いて暗記するやり方よりも前向きに楽しんで学習に取り組んでもらえるのではないかという期待はありました。

また、記憶定着にかかる時間の短縮や効率化にも寄与するのではないかと考えています。

 

Q. 実際にMonoxerを活用された結果、生徒たちの感想はいかがでしたでしょうか?

昨年末に全生徒にアンケートを取ったところ95%が「また来年もMonoxerを使いたい」と解答しました。その中の記述などを見る限り、楽しく暗記できたという声や前向きに取り組むことができたという意見、自分の苦手な部分が多く出てきたため学習になったという感想が多かったです。今年度は別の理科の教員が担当しているクラスもありますが、継続してMonoxerでの学習を行っている姿を見るとMonoxerの学習方法があっていた生徒は一定数いたと感じます。

 

 

Monoxerの学習データとテストでの成果を分析してみると、成績中下位層の生徒への学習効果が上位層の生徒よりも大きく見られました。成績が中下位層の生徒にとっては何かを記憶すること自体への負荷が従来高かったため、Monoxerの導入によって前向きに記憶することができるようになったり、暗記することへの抵抗感が低くなったりしたことが考えられます。

夏休みの間に2学期に学習する化学分野の予習範囲として、元素記号を暗記できるように問題を配信したのですが、初めての配信だったので120問以上の問題パターンを1つのタスクにまとめてしまいました。課題配信を失敗してしまったと感じた半面、記憶度を100%にしてきた生徒はもちろん、記憶度が50%や25%などの途中段階で終えてしまった生徒も以前と比べ、試験で要求するレベルの知識の定着が十分に達成していることが確認できました。簡単に記憶度100%を達成できる分量を配信していたら、成績中下位層の生徒へのMonoxerの学習効果をここまではっきり実感することはできなかったと今では感じています。

 

 

Q. 生徒から学習効果を実感できる声もいただきましたが、ある程度生徒自身がMonoxerで学習をこなさないと学習効果を実感することも難しいと思います。何か矢澤先生の方で生徒へMonoxerの学習の働きかけを行ったのですか? 

自分に必要だと感じたり、試してみようと思った生徒が自発的に取り組む状態にしています。「絶対に使いなさい」と圧力をかけたり、記憶度を成績に反映させるようなプレッシャーはかけていません。

あくまでも暗記を行う一つの手段として生徒にはMonoxerを提示しています。「苦手なものや忘却する可能性が高いものが個人の記憶度に合わせて出題されるので、復習も効率的にできる」とか「Monoxerで作成している問題は試験で問われる形式で記憶できるようにしているので、テスト対策にも有効だから使ってみると良い」という程度の声かけを何度か行いました。

 

 

また理科とは別の授業時間に、自習として元素記号の課題を解くことも許可されたタイミングがあったそうです。その際に多くの生徒がMonoxerを使用していたようで、そこで新たに興味を持った生徒もいたようです。実際に使って「いいな」と思った生徒の中で広まっていったのだと思います。

 

Q. Monoxerでの学習を強制せずに、生徒に任せているというのは御校の方針なのでしょうか?

現代は社会に出てからも学び続けることが求められている時代であると思います。そこで、自分に適した勉強方法を自己判断できる力自体も生徒には学んでもらいたいと思っています。

例えば一部の学生は、受験直前だけ一生懸命勉強して、それ以外の期間は何もしないという極端なやり方をすることがあります。生涯ずっと学び続けていくようなことが求められている世の中で、この勉強方法は逆行していると思います。

生徒には日々学びを積み重ねていく時に、目標に向かってどう成果をあげるのか自分で気づいてほしいと考えています。その際に、効率的かつ無駄のない方法で成果を上げることができるMonoxerのようなテクノロジーを活用することも一つの方法です。逆に、自分にはメリットがないと感じたり、使っても使わなくても変わらないと思えるのであれば、無理に使わなくてもいいと思っています。受験のない学校だからこそ、自分に適した学習手段の判断ができず成績が振るわなかった経験をすることや、その経験を次に活かしていく環境があると思いますし、そういった機会の提供を行っていきたいと考えています。

 

Q. 多様な学習手段の一つとしてMonoxerを提供されていますが、先生方はMonoxerを活用する価値をどこに感じていますか?

教員が生徒に記憶定着してもらいたい内容を、最適な出題形式で自作できることに価値を見出しています。

普通部は既存の教科書や問題集を順に進めるような学校ではなく、教科書の内容をベースにしつつ、各教師が大切にしたい内容に基づいて、学習単元の順番を組みかえ、独自の授業を展開しています。

私の担当する理科の特に化学分野では、基礎事項の記憶がポイントになる単元は、元素記号から始まり、電子配置のような模式的な内容、化学式など多くあります。それらをオリジナルの問題にすることで、私自身が授業で大切にしている点を生徒に理解してもらえる問題が提供できていると思っています。既成のコンテンツがないからこそ、高度な問題や発展的な問題も出題できます。このような活用方法が実現できたことに非常に満足しています。

 

 

また作成した問題は、教科担当教員間の財産として共有しています。以前と比べ、生徒が取り組みやすい問題形式は何か等、学習内容についてのコミュニケーションを取ることも多くなりました。「生徒へ提供できる最善の学びは何か」をMonoxerの作問を通して教員間で考える機会にも繋がっていると感じます。

 

Q. Monoxerで独自の問題を作成し、実際に生徒に解いてもらうことで得られた学習効果はありましたか?

Monoxerで基礎事項を楽に記憶定着できることで、その先の学びも楽しく感じてくれる生徒が増えたと思います。結果として、生徒の学習の深まりも実感しています。

電子配置というテーマは、一般的には中学3年生や高校1~2年生の化学基礎の授業でよく出てくる内容ですが、基礎部分の原子の構造を理解すると、電子配置の仕組みも理解しやすくなります。Monoxerを活用することで、共通テストレベルの問題等、発展的な演習問題を解ける生徒が前と比べ増えたことは、私自身驚いています。

 

Q. 今後Monoxerはどのように活用を続けていきたいお考えでしょうか?

多様な学習手段の一つとして、引き続き生徒たちには提示していきたいです。また、どの教科においてもある程度は基礎知識を記憶しておかないと先に進めない学習領域はあります。そういった基礎知識を記憶定着させる手助けをする1つの仕組みとして教員間でも認識をしているので、今後も学習内容に併せて活用を進めていきたいと思います。

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