セミナーレポート

3/27「ICT教育先進校に学ぶ AI時代の小学校の在り方」セミナー レポート

こんにちは! Monoxerの福元です。
3月27日(土)に、『ICT教育先進校に学ぶ AI時代の小学校の在り方』を開催いたしました。ICT教育を先進的に実践されている宝仙学園小学校の吉金先生と成城学園初等学校の秋山先生をお招きし、AI時代の小学校の在り方についてパネルディスカッション形式でお話しいただきました。参加できなかった皆様に向けて、本セミナーの模様をレポートいたします!

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吉金先生・秋山先生ご紹介

吉金 佳能 先生(宝仙学園小学校 教諭)ご紹介

<吉金先生>理科の授業を担当しながら、ICT教育研究部主任として宝仙学園小学校のICT導入と活用を推進しています。計画的にICTを導入し、2019年度には全校の児童一人にiPad1台の環境を整備しました。理科の授業では実体験を最重視した授業を展開し、その実体験を最大化するツールとしてICTを活用しています。
宝仙学園小学校では、「いかなる時代においても自ら学び他者と主に考え行動できる人」を学力観の最上位に置いています。それを達成するための21世紀型スキルのベースとして、読み・書き・そろばんや情報活用能力などの知識・技能を位置付けています。
その知識を身につけるためのツールとして、2019年にMonoxerを導入しました。自己肯定感を落とさずに、基礎基本をすべての子に徹底できるでしょうか?経験と勘に優れた先生であれば可能ですが、これからの時代はそれだけではダメではないかと思います。教師は教育のプロですが、学習のプロではないと考えているからです。これがMonoxerを導入した理由です。

秋山 貴俊 先生(成城学園初等学校 教諭)

<秋山先生>成城学園初等学校は幼稚園から大学まである一貫校で、創立当時から実験学校として実践研究を続けています。私は主にICT活用のサポートをはじめ、日本スクールコーチ協会認定スクールコーチとしてコーチングを教育に取り入れています。
2020年の冬休みには、英単語学習にMonoxerを使いながら、週に一度生徒と学習状況を俯瞰し確認し合う時間を設けていました。Monoxerではデータを見ながら個別最適化した指導ができるので、とても良いです。コーチング的なコミュニケーションを週に一度設けることで、生徒が自信を持てるようにサポートしています。

 

テーマ1. 校内で導入しているICTツールと導入前後で変化した点

<二嶋>モデレーターを務めます、モノグサ株式会社の二嶋です。まずは、導入されているICTツールと、その導入前後でどのような変化があったかをうかがえればと思います。

<吉金先生>本校は様々なICTツールを導入しているのですが、いちばんの変化は、子どもたちのアウトプットの選択肢が圧倒的に増えたことです。何かを表現しようと思ったら、絵や動画、Webサイトやプログラミングなど、あらゆる方法で表現できるようになりました。また、それに対するフィードバックもしやすくなりましたね。

<二嶋>選択肢が増えるということは、先生が授業のアレンジを担うという側面もあるのでしょうか?

<吉金先生>そうですね。先生たちの授業力が試されているとも思います。

<秋山先生>私の学級では、まなびポケットが提供している「schoolTakt」を基本に使っています。ICTツールを活用した交流はもちろんですが、端末を使って「こんなことができる」というアイデアが子どもたちから生まれてきているのが、いちばん変化を感じている点です。

<二嶋>ICTツールを利用するタイミングは、授業中が多いのでしょうか?

<吉金先生>授業が中心ですね。本校では端末の家庭への持ち帰りが可能なので、家庭に帰ってからも端末を自由に使っていると思います。

<秋山先生>本校では授業外の方が多いです。朝登校して端末に自分の体調を入力したり、作文を書く前に作文プロットを打ち込むために使ったりしています。

 

テーマ2. ICTツール導入において苦労した点とうまくいった点

<二嶋>ICTツールの導入において、先生方それぞれ苦労されたポイントやその上でうまくいった点があるかと思います。

<秋山先生>先生のなかでもICTツールの利用が得意な方と苦手な方がいるので、苦手な方にも合わせつつICTツールの良さも活かしていく活用設計に苦労しました。また、ICTツールはまだ完璧ではないので、どうしても失敗やトラブルがつきものです。その部分を、保護者の方も含めて理解いただくことも必要でした。
「学校は必ず正解を出さなければならない場所だ」「先生は間違わない」と我々自身も社会的にも考えていると思いますが、このICTの分野においては、まだまだ悩むことや迷うこともあります。どのように進めているのかを共有することが重要だと思います。うまくいった点としては、先生や子どもたちの双方から、「ICTツールを使ってこんなことができる」というアイデアがどんどん出てきたことがあるかと思います。

<吉金先生>本校が本格的にタブレットを導入しようと動き始めたのは、2015年でした。当時は電子黒板導入の失敗もあり、タブレットへの疑問や抵抗感があったと思います。それを少しずつ乗り越えて、2019年の4月には全教員全児童が全教科でICTが使えるようになりました。ただ、従来通りの授業デザインではICTツールが効果的に働かないのではないかとも思っています。なかなか効果的な使い方が難しい場面もあるという点が、今の課題ですね。

<二嶋>授業デザインのアップデートもICTツールの導入に向けては必要なポイントになってくるのですね。時期ごとに苦労する点やうまくいく点も変化するのでしょうか?

<吉金先生>そうですね、時期によってかなり変化があったと思います。本校は今、黎明期を超えて過渡期を迎えています。黎明期は、「とにかく使おう」というマインドが大事だと考えていました。可視化と共有化はICTの強い部分なので、そこに頼ってしまう授業デザインが多かったです。過渡期の今は、「授業デザインを変えていこう」という考え方に変化しています。

<二嶋>秋山先生の学校は、これから本格的にICTツールを活用されるという段階とのことですが、先生方がICTツールを活用するにあたってマニュアルを用意されたり共有の場などはあるのでしょうか?

<秋山先生>やる前から決めるよりも走り出してから考えようかと思っていて、そのためのサポート体制を作っています。子どもたちがICTツールを手にすることによってどう学びが変化するかは、大人たちの方がイメージできていない面もあるかと思います。なので、やりながら考えられるという安心できる環境づくりが大事だと思います。

 

テーマ3. 最近、校内で実施されたICTツールに関する研修

<二嶋>ICTツールを導入するにあたって校内での先生方への研修が必要になるタイミングがあるかと思います。

<秋山先生>本格的なICT導入はこれからですが、コロナの影響での休校中にオンラインで授業をした際には、Zoomなどについての研修をしました。研修の際には、ICTが得意な方に先に管理者研修を受けてもらって、全体への研修の際にサポーター役として、ICTが苦手な方のサポートに回ってもらうようにしました。また、全員が達成できるゴールを設定をすることも大切にしました。

<吉金先生>「置いていかない」というのは本当に大事だと思います。本校もサポート体制はかなり大切に作るようにしています。本校はICTに関して年間5回の全体教員研修を設けていますが、これはマインドセットの研修を中心に置いています。また、任意参加のコンテンツ研修を年間10回ほど設けています。やはり、一度の研修では10%ほどしか伝わらない現状があるので、それを前提とした研修を組んでいます。

<二嶋>マインドセットの部分とコンテンツの部分で目的ごとに分けて研修をされているんですね。

 

テーマ4. ICTツールの活用と児童の学力向上

<二嶋>何を学力とするかという観点もあると思いますが、ICTツールの活用によってどのように学力向上に働きかけられているのでしょうか?

<吉金先生>ICTツールを使うと、アウトプットとフィードバックがやはり充実します。アウトプットとフィードバックが充実すると達成感を得やすくなり、達成感は自己肯定感に繋がります。なので、自己肯定感に支えられた学力が向上しやすいと思います。また、知識面についても、ICTツールを使うことによってテストの点数が明らかに変化しました。

<秋山先生>テストで点が取れるだけが学力ではないと考えていますが、これから社会に出る子どもが大学受験などのペーパーテストを受ける際、どうしてもまだ暗記が必要な傾向は変わらないかと思います。そのためにも、最低限必要な部分を覚えることで、その先の読解力などに繋げることが大切だと思います。また中学受験に関しては、保護者のサポートがかなり大きい部分があります。ただ、家庭環境によって保護者のサポートが得られにくい子もいます。そのような子については、ICTツールを使うことで苦手部分やスケジュールが把握でき、子どもたちの格差を縮められるのではないかと考えています。

 

テーマ5. 「Monoxer」をどのように活用しているか

<二嶋>では最後に、Monoxerをどのように活用いただいているかをうかがえればと思います。

<吉金先生>現在は理科での活用が中心となっています。単元の学習を授業でした後に、授業で扱った知識を家庭学習としてMonoxerで取り組むようにしています。本校の知識確認テストは年間を通してだんだんと難化する内容に設定しているのですが、Monoxerで知識定着を図ったことによって、全体平均点がほぼ変化していません。長期記憶に繋がっていると感じています。

<秋山先生>社会と漢字、英語での活用をしています。漢字は、漢字テストの前や長期休みに取り組むようにしています。英語に関しては、絵や発音から単語を選択するなど、複数の出題形式があるところがとても良いと思います。将来的には、「一人の子どもを育てる」という点を考えると、Monoxerでの学習データを塾と連携できたらとても素敵だなと思いますね。

おわりに

当日ご参加くださった皆様、また、本レポートを最後までお読みくださった皆様、誠にありがとうございました!
Monoxerに興味が湧いた!もっと知りたい!という方は、是非資料請求や無料トライアルのお問い合わせをいただけますと幸いです。
また、今後も継続的にイベントを実施しておりますので、是非ご参加ください。
今後とも、解いて憶える記憶アプリMonoxerをどうぞよろしくお願いいたします。

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