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前回に引き続き、成城学園初等学校の活用事例をご紹介します。成城学園では、学校独自の英語教育として「成城学園英語一貫教育プログラム」を展開。一貫校だからこそできる長期的な英語学習が特徴的で、このプログラムにもMonoxerをご活用いただいています。初等学校で英語の授業を展開されている今井英雄先生に、Monoxerの具体的なご活用方法や導入後の児童様の様子や変化についてうかがいました。
活用ポイント
- プロジェクト型学習に外せない単語力をMonoxerで身につける。
- プログラム内CAN-DOリストの指標となる英検もMonoxerの教材で対策。
- プログラム用に独自に作成した問題と英検対策用に既存の問題を用途別に使い分け。
導入による効果
- 児童はMonoxerのおかげで知識や記憶の定着がスムーズになり、授業での沈黙がなくなった。
- 教員が授業内で単語学習を指導する時間を省け、既存の知識を文法に載せる作業から始められるようになった。
- 授業内の児童による進捗度合いの差でできた空き時間にMonoxerを。教材準備の負担軽減。
プロジェクト型英語学習のための単語力をMonoxerで 憧れの「100」を目指すモチベーション
学校で力を入れられている英語教育について教えていただきたいです。
「成城学園英語一貫教育プログラム」と言って、幼稚園から高校までおよそ13年のスパンでカリキュラムを設定しています。幼稚園から小学校、小学校から中学校、中学校から高校という形で英語教育を進めていく流れです。「成城学園英語一貫教育CAN-DOリスト」というそれぞれの学年における「できる」のリストがあり、それに沿ってカリキュラムが組まれています。成城学園独自のプログラムです。
私は初等学校の1,3,4,6年生を担当しています。
そのプログラムへのMonoxer導入のきっかけはなんだったのでしょうか?
本プログラムを実現するにあたり、もともと学校の方針として、教科書ベースで教えることは子ども達のモチベーション維持には難しく、自ら課題を見つけ切磋琢磨できるような問題解決能力の育成が必要であるという考えがありました。この教科書主体の指導は「プログラム型学習」と呼ばれ、主に教科書に出てくるものしか教えません。このような必要最低限の知識・技能を教科書から得ることは勿論大切です。一方で、そこから子ども達の学習意欲を飛躍的に伸ばすためにはプログラム型から脱却し、子ども達が仲間と共に主体的に課題解決の方法を探り、高い挑戦意欲を持って取り組むことの出来る「プロジェクト型学習」に移行する必要がありました。
プロジェクトベースの学習では、児童たちでグループを作って何かしらの「成果物」(自作絵本、手紙、ポスター、パワーポイントなど)を作ります。その上でどうしても外せないのは単語力でした。単語力がないと仲間とコミュニケーションを取れないからです。
そこで、単語力をつけようと、ICTツールを用い始めました。初めは海外の単語学習アプリを使っていましたが、ゲーム感覚で楽しく英語を憶えるためのものだったので、授業内や宿題でアプリの課題を出しても果たしてきちんと記憶として定着しているのか疑問だったのです。そのため、繰り返しペーパーテストを作りましたが、学校教員として授業以外の様々な業務をこなす必要があるため、作業量的には負担でしたね。
そんなときに秋山先生からMonoxerの紹介があり、有効的だと感じ、導入に至りました。
何が導入の決め手となったのでしょうか?
本格的な導入の前に秋山先生の椿組でMonoxerを実際に使って実験をしてみました。
長期休みの際、3クラスのうち椿組だけMonoxerで課題を出し、他のクラスは紙ベースでやらせたところ、休み明けのテストでは椿組の成績が伸びる結果になっていました。これでMonoxerに効果があるのかなと思い、導入を決めました。
導入以前、Monoxerへの印象はどうでしたか?
記憶度がパーセンテージで表されるのは子供ウケがいいのかなと思いました。
彼らは100点を取りたいんですけど、小学校段階でのテスト1回ではなかなか取れないんですよ。でも、「100」に憧れはあるんですよね。その点、Monoxerならやり続ければいずれは100になるので、彼らの中にそのモチベーションがきっと生まれるだろうと思っていました。
音声機能や小テスト機能を駆使 独自教材で単語力アップ
成城学園英語一貫プログラムに合わせたMonoxerとは具体的にどのようにご活用いただいているのでしょうか?
3年生から使っています。ただ、3年生は発達段階的にiPadで教えるのに苦労している段階でして、プロジェクトベースのカリキュラムとしては扱っていない状況です。
ですが、フォニックスの発音を聞かせるのにMonoxerを活用しています。発音から楽しくやってみようという感覚です。3年生のうちは自由に楽しく使わせてもらっています。
そして、この発音学習の内容がプログラムの3年生の「CAN-DOリスト」に繋がるようになっています。
児童もMonoxerに慣れてきたので、夏休みもこれを用いて今度は単語学習をさせていこうと思っているところです。
他の学年でのご活用はいかがですか?
教科書の単語記憶や発音(リスニング、スピーキング)の学習に用いています。特に面白いのが音声を吹き込む機能です。発音の判別機能の性能が良いので正しい発音を学ばせることができます。子供たちにとっても面白いようです。
高学年には小テスト機能も活用しています。テストが「Monoxerやらなきゃな」というモチベーションにもなっていると期待しています。
CAN-DOリスト;英検対策にはMonoxer内の専用教材を使用 用途に合わせた活用を展開
英検対策もされていると伺いました。
プログラムに各学年の到達目標を定めた「CAN-DOリスト」があり、その指標に英検を用いています。プロジェクトベースドラーニングを行うなかで自然と身に付く英語力での英検合格が理想です。
ただ、プロジェクト型とは別の枠での対策としてMonoxer内の英検対策教材も活用しております。
英検対策では30〜40日の長期的な学習計画と2週間1回の配信をされているそうですが、その意図はなんですか?
モノグサ社カスタマーサクセスの足立さんによると、他校は授業内でMonoxerを開く時間を作っているそうです。我々にはプロジェクトベースの軸があるためそれができません。英検に関しては、プロジェクト型学習を行う上で自然に身につく能力での合格と考えており、英検学習に特化した指導は行っておりません。したがって配信に関しましては、2週に1回にしています。ただ、それだけだと不十分なので、子供たちに衝撃を与える機能として小テストを行います。夏休み明けには足立さんに頼んで中テストを行うことにしました。夏休み期間もMonoxerを配信して、児童にやらせようと思っています。
学校独自のプログラムに合わせ、用途別にMonoxerをご活用いただいているんですね。
おっしゃる通りです。プロジェクトベースドラーニングには教員が自由に作れるものを使い、英検対策にはMonoxer内の教材を使っています。
児童のMonoxerへの前向きな姿勢と変化「知識も記憶力もスムーズに」
Monoxerに対する児童様の反応はどうでしたか?
良いです!休み時間に職員室に児童がきて「モノグサやろ〜」って遊んでいるんですよ。
ただ、英検対策の問題において「分からない」と言われることが多いのが「形容詞」などの言葉です。これが括弧付きで書いてあると彼らは困惑してしまいます。それは教材の作りだからしょうがないですが、そこがたまにモチベーションを下げてしまっていないかと思っています。
学校や自宅学習など、児童様はどのような時間でMonoxerに取り組んでいるのでしょうか?
学校でやる子もいます。雨の日は外で遊べないからMonoxerをやっていますよ。
英検に関しては、Monoxerの趣旨とずれてしまいますが「1日15分間やってね」としています。100%を目指すと20分くらい頑張ってやらないといけないのですが、それだと児童にはモチベーション作りに不向きであると感じます。100%ではなく1日15分、という使い方で時間目標を設定しています。
児童様のMonoxerへの取り組みはどのように管理されていますか?
カスタマーサクセスの足立さんとデータ化された学習率を見て確認しています。また、自分でもMonoxerの管理ページにログインして、「ファイト」を押しています!
ファイトを押して学校に行くと児童から反応がくるんですよ。「先生メッセージ送ったでしょ!」って(笑)。
導入していただいてから、児童様の勉強に取り組み姿勢や実際の効果など、目に見える変化はありましたか?
私たちは実験学校なので、定期的に公開授業をZOOMで配信しています。
その授業中、私は子どもたちに答えてもらおうと指名するんですよ。これまでだと分からない子は当たると黙ってしまう、嫌な沈黙がありました。そんな状況だと他の先生方も見てるし、僕らは青ざめてしまいます。
でも、公開授業の2~3週間前に、それに向けて単語を覚えるための自作問題をMonoxerで作り、やっておいてというとやるんですよ。やるからには伸びるんですよね、知識も記憶力もスムーズに。授業内で単語学習をさせる時間を省け、既存の知識を文法に載せる作業から始めることができるようになりました。
児童、教員、そして保護者にも使いやすい 児童の待ち時間をMonoxerが解決、教員の負担は軽減
Monoxerの利点はなんだと思いますか?
まず、ハンディで使いやすいことです。アプリを開けば「タスク」にアクセスするだけじゃないですか。英語の授業は日本語を話さない指導法なので、構造が複雑だと教えるのも大変なんです。それが「Open Monoxer, Go to Task!」で伝わるので指示出しが簡単です!
また、単語を指導する時間が省け、特に、Speakingを録音する機能は母語にない音声をMonoxerが判別してくれます。児童たちが「あいうえお」だけでなくaとeの中間音があることなどに自ら気づいてくれるのです。
さらに、授業の空き時間にも活用できます。授業ではワークをグループでやらせているので児童の間で進み具合に差が出ます。今までは早く終わった子たちに、待ち時間に取り組むワークシート作らなければと思っていたのですが、今は「Monoxerをやっていなさい」と言えますから、私たち教員にとっては負担が軽減されましたね。
そして、迷わずにできている子供の姿を見てると、保護者の方もおそらく一緒にやってくれている可能性が高いと感じます。子供に何をやらせたら良いか悩む保護者の方も多いですが、「英検は大事だしやらせてみようかな」と思ってくださいます。それを子供に伝えていただくことができます。保護者に対しても英語勉強方法を一つ与える形にはなってるのかなと思いますね。
Monoxer導入前の英語に関する課題は解決されましたか?
単語力を課題に感じていましたが、すごく改善されたと思います。言語活動をするときに文章が作れなくても単語が言えれば、大体の言いたいことは理解できますよね。変なコミュニケーションですけど。以前は会話する両者ともに沈黙してしまうという言語活動があったのですが、今はそれがなくなりました!
「英語だけMonoxer」から「勉強はMonoxer」へ活用拡大中
今後、Monoxerに期待することはありますか?
小学生段階なので記憶定着も大事ですが、児童には楽しく学習して欲しいと思っていました。Monoxerは問題を自分たちで作ることができますよね。その機能を使って、上の学年の子たちが下の学年の子たちのために問題を作ってやらせることができるんじゃないかな、と。子供同士の学習、子供が先生になる状況が生まれますよね。それによって彼らもモチベーションが高くなるだろうと思います。今後、児童も簡単に問題を作れるようなUIをになることを期待しています!
今後のMonoxer活用拡大予定や検討していることはありますか?
英語科以外にもMonoxerを広げていきたいと思っています。データの扱いが得意な若い教員などに問題を作ってもらって、それが実現できれば国語や理科、社会などでもMonoxerで宿題が出せるようになると思います。実際、こういう宿題を出してみたいと僕のところに他の教科の教員が来てくれるんです。来てくれるから教えられるし使ってもらえるし、「英語だけMonoxer」な子供たちの頭が「勉強はMonoxer」になっていくと思います。それがどうなるかわかりませんが「Monoxerはやらないといけないんだ」という考えになっていくんじゃないかなと思っています。まさに、活用拡大している最中という感じですね。